知育ノート

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発達加速現象とは?原因と具体例は?今と昔の子供はどう違う?

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「一昔前より身長の高くてスラっとした子供が増えたなあ。」とか「子供の初潮や精通の時期が早くなったなあ。」、と感じたことはありませんか?

こうした感想は、子育て中のパパママだけでなく、多くの人が感じているものです。

実際、各年代における子供の成長に関するデータを比較してみると、年代が新しくなるにつれて、子供の身体的発達が早まっていることが分かります。

発達加速現象と呼ばれる現象です。

では、どうして発達加速現象が起こるのでしょうか?

この記事では、発達加速現象の概要、原因、具体例について紹介します。

発達加速現象とは

発達加速現象とは、新しい世代になるにつれて、身体的発達が加速する現象のことです。

発達加速現象には、次の2つの側面があります。

  • 量的な発達加速現象(成長加速現象)
  • 質的な発達加速現象(成熟前傾現象)

量的な発達加速現象(成長加速現象)

量的な発達加速現象とは、身長や体重、胸囲など身体の量的成長が加速する現象です。

通常、量的な発達加速現象は成長加速現象と呼ばれます。

質的な成長加速現象(成熟前傾現象)

質的な発達加速現象とは、乳歯や永久歯の生え始める時期や生えそろう時期、性的成熟(初潮や精通)といった身体の質的変化が加速する現象です。

成長加速現象に対して、成熟前傾現象と呼ばれています。

発達加速現象の原因

発達加速現象の原因は特定されておらず、複数の要因が複雑に絡み合って生じていると考えられています。

発達加速現象の原因に関する主な説は、以下のとおりです。

  • 栄養説:栄養状態が改善されたことで発達が加速
  • 雑種強勢説:グローバル化で異人種間の交配が進んだことで発達が加速
  • 日照説(気候説):日照や気候の変化で発達が加速
  • 環境説:環境の変化によって発達が加速

他にもたくさんの主張や意見がありますが、どれも明確な根拠や証拠は示されていません。

発達加速現象の現状

発達加速現象は、20世紀中盤頃から世界規模で生じていた現象です。

欧米諸国などでは近年になって加速が停止傾向にある一方で、発展途上国では加速が続いています。

日本においては、全体的に見て発達加速現象は停止傾向にあります。

ただし、17歳の平均身長が1980年代以降ほぼ横ばい状態(成長加速現象が停止傾向にある)な一方で、女の子の初潮開始時期は1997年頃まで低年齢化している(成熟前傾傾向は停止していない)など、発達の内容によって加速の有無や程度は異なっています。

発達加速現象の具体例

発達加速現象の具体例として、以下の2つを見てみましょう。

  • 15歳の女子(中学校3年生)の身長
  • 初潮開始時期

発達加速現象の具体例1:15歳の女子(中学校3年生)の平均身長

  • 1901年:144.8cm
  • 1950年:150.2cm
  • 1975年:155.7cm
  • 2000年:157.3cm
  • 2008年:157.3cm

約100年の間に約13cmも平均身長が伸びていることが分かります。

一方で、1975年から2008年までの約30年間では2cm弱しか平均身長が伸びておらず、加速が停止傾向にあることが確認できます。

発達加速現象の具体例2:初潮開始の平均時期

  • 1961年:13歳2.6ヶ月
  • 1967年:12歳10.4ヶ月
  • 1972年:12歳7.6ヶ月
  • 1977年:12歳6.0ヶ月
  • 1982年:12歳6.5ヶ月
  • 1987年:12歳5.9ヶ月
  • 1992年:12歳3.7ヶ月
  • 1997年:12歳2.0ヶ月
  • 2002年:12歳2.0ヶ月
  • 2005年:12歳2.6ヶ月
  • 2008年:12歳2.3ヶ月
  • 2011年:12歳2.3ヶ月

1961年から1997年までの約35年の間に、初潮開始の平均時期は1歳以上早まっていることが分かります。

一方で、1997年以降は、初潮開始の平均時期が横ばい状態となっていることが確認できます。

発達加速現象がもたらす問題

身体的発達が加速すると言うと、「進化」しているように思えるかもしれません。

しかし、人は、心と体がバランスよく発達して初めて、社会に適応して生きていくことができるものです。

そのため、例えば、小学校や中学校のうちに成人並みの身体的発達を遂げても、内面は幼く、価値観や行動基準は未熟で、社会のルールも十分に理解できていないため、大人と同じ社会生活を送ることはできません。

また、発達加速現象によって身体的発達と精神的発達にアンバランスが生じることによって、アイデンティティの確立が遅れるもしくは困難になるという指摘もあります。

さらに、身体の性的成熟に心が追いつかず、性的アイデンティティが混乱するリスクも高くなる傾向があります。

まとめ

身体加速現象について紹介しました。

発達加速現象は、世界規模でみられる現象ですが、原因は特定されておらず、地域差も大きく、今後も研究が続けられていくでしょう。

親としては「自分の頃はこうだった。」という感覚で子育てをしていると、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。

自分の子供時代と現代では、子供の体格も中身も異なることを十分に理解し、目の前の子供に応じた関わりを模索していくことが求められます。