知育ノート

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アダルトチルドレンとは?機能不全家族が原因?症状と治し方は?

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アダルトチルドレンという言葉を知っていますか?

日本では、「子どもっぽい大人」、「大人になりきれていない人」のことをアダルトチルドレンと呼ぶことがありますが、誤解です。

本来のアダルトチルドレンは、生まれ育った家庭の影響によって、大人になっても深刻な症状に悩まされる状態や、そうした状態を抱える人のことです。

この記事では、アダルトチルドレンの概要、原因、症状と治し方について紹介します。

アダルトチルドレンとは

アダルトチルドレンとは、機能不全家庭(機能不全家族)で育ったことにより、大人になっても心にトラウマを抱えたり、生きにくさを感じ続けたりしている状態や、そうした状態を抱える人のことです。

元々、アダルトチルドレンは、アルコール依存症の親の下で育ち、大人になっても心にトラウマを抱えた人を指す言葉でした。

しかし、アルコール依存症の親の下で育った子供だけでなく、機能不全家庭で育った子供も特徴的な行動や認知、思考を持つことが指摘されたことで、現在は上記のような意味で用いられるようになっています。

英語では「Adult Children of Alcoholics(アルコール依存症の親の下で育ち、大人になった人)」もしくは「Adult Children of Dvsfunctional Family(子供の成長に悪影響を及ぼす親の下で育ち、大人になった人」と表記されます。

「アルコール依存症の親の下で育った」もしくは「子供の成長に悪影響を及ぼす親の下で育った」ことがはっきり分かります。

一方で、日本では単にアダルトチルドレンと訳されるため、冒頭で紹介したとおり意味を誤解する人がたくさん生じることになりました。

機能不全家庭(機能不全家族)とトラウマ

アダルトチルドレンを理解する上で知っておきたいのが、機能不全家庭(機能不全家庭)とトラウマという概念です。

機能不全家庭(機能不全家族)とは

機能不全家庭(機能不全家族とは、両親の不和や不在、物質依存、虐待など、子供の心身の成長に悪影響を及ぼす状態が継続している家庭(家族)のことです。

英語では「Dysfunctional Family」と表記されます。

子供は、自分の育った家庭環境や家族関係、親の言動、家庭内のルールが一般的なものだと認識して身につけ、家庭外でもそれらに基づいて行動しやすいものです。

そのため、機能不全家庭で育った子供は、不適切な言動を繰り返したり、うまく他人との関係を築けなかったりすることが珍しくありません。

また、機能不全家庭においては、本来、親から与えられるべき愛情や承認が十分に得られにくいため、自分を大切にする気持ち(自己肯定感や自尊心)、共感性や協調性が乏しくなりがちです。

トラウマとは

トラウマとは、外的もしくは内的な要因によって、肉体的もしくは精神的に大きな衝撃を受けたことにより、衝撃を受けた出来事に囚われた状態のことです。

英語では「psychological trauma」と表記され、日本ではトラウマもしくは心的外傷と訳されています。

トラウマの原因となりやすいものとしては、親の虐待、戦争、犯罪被害、各種ハラスメント、地震や津波などの被災などが挙げられます。

アダルトチルドレンの場合、親の虐待やしつけなどがトラウマの原因になりやすい傾向があります。

アダルトチルドレンの原因

アダルトチルドレンの原因は、機能不全家庭(機能不全家族)で育つことです。

機能不全家庭(機能不全家族)の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 両親の仲が悪い
  • 親に何らかの依存症がある(アルコール、薬物など)
  • 虐待(身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト)
  • 親の支配的な関わりや抑圧
  • 親が過保護もしくは過干渉
  • 親が子供に過剰な期待をかける
  • 親が子供に依存している(親子関係の逆転)

アダルトチルドレンの症状

アダルトチルドレンの人は、機能不全家庭で不適切な行動、思考、認知などを身につけており、他人と良好な関係が築けず、相手を怒らせてしまったり、相手に過剰に合わせてしまったりしがちです。

また、自分を大切にする気持ち(自己肯定感や自尊心)、共感性や協調性が乏しくなりがちで、他人への依存心も強くなります。

アダルトチルドレンの人同士が互いに相手に依存して「不安定な安定」を求める共依存に陥ることも珍しくありません。

アダルトチルドレンのタイプ

アダルトチルドレンは、いくつかのタイプに分類して説明されることがあります。

  • ピエロタイプ:内面は自尊心が乏しく自信がないのに、ひょうきんな態度や人懐こさを前面に出して内面の弱さをひた隠しにするタイプ
  • ヒーロータイプ:親の過剰な期待に応えてきた人に多く、内心は不適応感や罪悪感と過剰な自尊心が共存しているが、自信ありげに振る舞い、他人に自分の意見や考えを押し付けるタイプ
  • お世話タイプ:依存的な親の面倒を見てきた人に多く、周囲から責められていると感じやすく落ち込みやすいが、他人に対して優しく面倒見良く振る舞うタイプ
  • 人形タイプ:親の言う通りに生きてきた人に多く、常に周囲の評価を気にして、周囲に合わせて行動するタイプ
  • 身代わりタイプ:非行、物質依存、自傷他害など、家庭で見聞きしたことや体験したことを家庭外で表現するタイプ
  • ロストチャイルドタイプ:家庭内で存在を押し殺して成長した人に多く、諦めや孤独、無力感を抱えたタイプ

アダルトチルドレンの治し方

アダルトチルドレンは病気ではないため、日本においてはアダルトチルドレンを治療するための方法というのは確立されていません。

通常は、親の虐待や不適切な親子関係による心の傷などに対してのみ、精神科の治療を行います。

具体的にいうと、アダルトチルドレンの人は、うつ病、パニック障害、PTSDなどの診断を受けることがあり、そうした疾患に対して治療を行うということです。

治療法としては、認知行動療法や家族療法などが挙げることができます。

なお、海外では、アダルトチルドレンの治療に乗り出す国も増えてきていますが、その知見が日本に輸入されるには、今少し時間がかかりそうです。

まとめ

アダルトチルドレンについて紹介しました。

今回、アダルトチルドレンについて取り上げたのは、日々、障害のある子どもや家庭に問題のある子どもと触れ合う中で、「親の過剰な期待が子供に悪影響を与えているのではないか。」と思うことが増えてきたと感じるからです。

最近は、知育、早期教育、幼児教育など、子供が小さい頃から教育を受けさせることが流行っていますが、その目的は、子供が持っている力を十分に引き出し、良好な人間関係を築いて社会で活躍できるようにすることのはずです。

しかし、「子どもを医者にする方法」、「東大に合格させる方法」などを掲げた教育が無数に登場し、それを子供に押し付ける親が少なからずおり、親の過剰な期待に応えられず自信を失ったり、親の押し付けた目標を達成したものの、その先何をすべきか分からなくなったりする子供が増えているように思います。

親として、子供に良い学校に入ってほしい、良い会社に就職してほしい、他の家庭の子供より出世してほしいと考えるのはおかしなことではありません。

しかし、子供の意見や考え、能力を無視して過剰な期待を抱き、それを子供に押し付けることは一種の虐待であり、子供の成長に深刻な影響を与えるということは覚えておいてください。