知育ノート

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セントラルエイトとは?子供が非行に走る原因と防止法は?(犯罪心理)

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親なら誰でも「子供には心も体もすこやかに育ってほしい。」と願っているはずです。

しかし実際は、病気になったり、ケガをしたり、心を病んだりするなど、子供が大きくなる過程では紆余曲折があるものです。

中でも親を悩ませるのが子供の不良行為や非行です。

子供は、不良グループとの夜遊びや怠学、親への反抗から、万引き、対教師暴力、薬物使用、ネット詐欺といった犯罪行為まで、不良行為や非行を起こすことがあります。

では、どうして子供は非行に走るのでしょうか。

今回紹介するセントラルエイトは、犯罪心理学の立場から子供が非行に走る主な原因(要因)を挙げたもので、子供の非行の原因を知り、その防止(もしくは再非行の防止)を考えるための一助になるものです。

この記事では、セントラルエイトの概要、セントラルエイトの非行の8つの原因について紹介します。

セントラルエイトとは

セントラルエイトとは、非行(犯罪)の原因(リスク要因)を8つにまとめたものです。

セントラルエイトは、犯罪心理学者のD・A・アンドリュー(D.A.andrews)らが提唱したものです。

アンドリューらは、根拠のない(エビデンスに基づかない)犯罪の要因を否定し、エビデンスに基づいて抽出した犯罪の8つの原因に基づいて非行(犯罪)について考察しています。

日本では、筑波大学教授(2016年現在)の原田孝之の著書「入門犯罪心理学」(ちくま新書,2015)などで詳しく紹介されています。

同書は、「少年事件の凶悪化が進んでいる。」、「犯罪抑止には厳罰化が効果的だ。」といった根拠のない犯罪の捉え方を否定し、セントラルエイトに基づいて非行(犯罪)について考える内容となっています。

セントラルエイトにおける非行(犯罪)の8つの原因(要因)

セントラルエイトでは、非行(犯罪)の原因(要因)として、以下の8つを挙げています。

  • 犯罪歴(非行歴)
  • 反社会的人格(パーソナリティ)
  • 反社会的認知
  • 反社会的仲間関係(不良交友)
  • 家庭(家族・婚姻)の問題
  • 社会生活(学校・職場)の問題
  • 余暇活動
  • 物質乱用

アンドリューらは、8つの原因(要因)のうち、特に非行(犯罪)に強い影響を及ぼすという研究結果が得られた1.犯罪歴、2.反社会的人格(パーソナリティ)、3.反社会的認知、4.反社会的仲間関係(不良交友)の4つをビッグフォーと呼んでいます。

セントラルエイト1:犯罪歴

犯罪歴とは、ある人が犯した非行や犯罪の履歴のことです。

日本では、刑法に触れる行為をして処分を受けた場合、子供なら前歴、大人なら前科という犯罪の履歴が公的に残ることになります。

セントラルエイトにおける犯罪歴は、公的に履歴が残っている非行や犯罪だけでなく、発覚していないものも含みます。

セントラルエイト2:反社会的人格(パーソナリティ)

反社会的人格(パーソナリティ)とは、社会のルールや他人のことを軽く考え、自分の欲求のままに行動を起こしやすい人格のことです。

他人に攻撃的になったり、他人を利用したりするところから自己愛性人格障害と混同されやすいものですが、別物です。

  • 自己愛性人格障害:ありのままの自分を受け入れられず、自分が他人より優秀だと思い込む人格障害。

セントラルエイト3:反社会的認知

反社会的認知とは、一般的な常識や社会のルールから逸脱した物事の捉え方です。

大人の場合、宗教や政治など所属する集団の教義や性格によって反社会的認知が培われることがあります。

一方で、子供の場合、もともと常識やルールの獲得が不十分なので、不良交友やネット上の偏った知識などによって簡単に反社会的認知を身につけやすい傾向があります。

ただし、適切な指導や関わりを受けることができれば、一旦身につけた反社会的認知を是正することも可能です。

セントラルエイト4:反社会的仲間関係(不良交友)

反社会的仲間関係とは、いわゆる不良交友のことです。

思春期の子供で言えば、夜遊び、喫煙、飲酒、非行などの問題行動を繰り返す友人と仲良くしたり、彼らが所属する集団に所属したりすることです。

不良交友を続ける中で反社会的認知を身につけ、素行不良者と一緒に問題行動を起こすようになる子供はとても多いものです。

セントラルエイト5:家庭(家族・婚姻)の問題

家庭の問題とは、子供の成長に悪影響を与える家庭内の問題全般のことです。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 両親の不和
  • 長期の単身赴任
  • 離婚
  • 子供の面前での家庭内暴力
  • 虐待

セントラルエイト6:社会生活(学校・職場)の問題

社会生活の問題とは、子供の社会適応の問題のことです。

例えば、いじめやそれに伴う不登校・登校拒否などが社会生活の問題にあたります。

また、就職して社会に出た後も、職場に馴染めない、職場の上司からパワハラを受けるといった悩みを抱えるなど、様々な社会生活の問題を抱えることは多いものです。

セントラルエイト7:余暇活動

余暇活動とは、余暇の過ごし方のことです。

例えば、学校や仕事以外に熱中できる趣味を持っているかどうか、自分の居場所だと思える場所があるかどうかなどが、余暇活動に当てはまります。

セントラルエイト8:物質乱用

物質濫用とは、薬物、酒、たばこなどの物質を、心や身体に悪影響が出ているのに繰り返して使うことです。

物質濫用の程度が重いほど、非行(犯罪)に及ぶリスクも高くなる傾向があります。

セントラルエイトに見る子供の非行の防止法

家庭や社会生活の問題、反社会的認知などは、犯罪に手を染めることなく社会生活を送っている人でも多少なりとも抱えているものです。

セントラルエイトのいくつかに当てはまるからと言って、子供が必ず非行(犯罪)を起こすわけではなく、あくまで要因の一つだと考えてください。

その上で、子供の非行を防止するにはどうすれば良いか考えてみましょう。

家庭、社会生活、余暇

親として取り組みやすいのは、家庭や社会生活の問題の改善です。

実際の夫婦仲はともかく、少なくとも子供の前では仲の良い両親を演じ、子供が家庭を居心地の良い場所と感じられるよう努力することが大切です。

また、学校の問題についても、特に子供の年齢が低いうちは目配りし、必要に応じて学校の先生とやりとりすることも求められるところです。

加えて、勉強やスポーツなど何でも良いので子供が打ち込めるものを見つけてあげるようにしましょう。

家庭や社会生活の問題が軽減され、打ち込めるものを見つけることで、子供は毎日を安心・充実して過ごせるようになり、自然と非行に及ぶリスクが低くなっていきます。

反社会的仲間関係(不良交友)、反社会的認知

思春期の子供は、誰でも少なからず社会のルールを破ることに魅力を感じたり、そうした行動を実行する人に憧れたりするものです。

また、親よりも友達との関係が大事になるので、親の言うことを聞かなくなります。

そして、素行不良者と一緒に問題行動を繰り返すうちに反社会的認知を身につけ、非行を実行してしまうことになります。

親としては、「ダメなことはダメ」という毅然とした態度をとることは大切ですが、一方でありのままの子供を受け入れてあげることも欠かせません。

特に、友人関係や子供の興味関心については、たとえそれが親として不適切だと思えても頭ごなしに否定しないでください。

まずは、子供なりの事情を親身になって聞き、子供自身が友人関係や興味関心に疑問や問題意識を持てるよう根気強く関わってあげましょう。

反社会的人格(パーソナリティ)、物質乱用、犯罪歴(非行歴)

子供が実際に非行(犯罪)に手を染めたり、反社会的人格を身につけたり、物質濫用を繰り返したりするようになった場合、家庭だけでなんとかしようとせず、警察や児童相談所、裁判所、医療機関など関係機関と橋梁しながら子供に対応することが大切です。

まとめ

セントラルエイトについて紹介しました。

セントラルエイトは、非行(犯罪)の原因(要因)を挙げたものに過ぎませんが、子供の非行を防止するための親の関わり方に示唆を与えてくれるものです。

実際の書籍や研究結果はなかなか難しいものですが、思春期の子供を持つ親は、概要くらいは知っておくと良いでしょう。