知育ノート

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認知的不協和とは?認知的不協和理論の具体例はタバコとイソップ?

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人は、「自分の考え方や行動」と矛盾する「新しい事実」に出くわすと、不快感を抱きます。

そして、不快な状態から逃れるために、「自分の考え方や行動」を改めるか「新しい事実」を否定することで、矛盾を解消しようとします。

例えば、喫煙者が「タバコが健康に悪い」という研究結果(事実)を突き付けられると、禁煙するか(行動を改める)、「タバコを吸っていても長生きする人はいる。」などと正当化してタバコを吸い続ける(事実を否定する)ことが挙げられます。

こうした、「自分の考え方や行動」と「新しい事実」が矛盾した状態、もしくは、そこで生じる不快な状態が認知的不協和です。

認知的不協和は、日常生活のあらゆる場面で起こりうるもので、子供の友人関係や学習においても問題になることがあります。

この記事では、認知的不協和(認知的不協和理論)の概要と具体例について紹介します。

認知的不協和とは(認知的不協和理論とは)

認知的不協和とは、自分の中で矛盾した認知を抱いた状態、もしくは、矛盾した認知を抱いて不快感を抱えた状態のことです。

英語では「cognitive dissonance」と表記し、日本では認知的不協和と訳されます。

アメリカの社会心理学者レオン・フェスティンガー(Leon Festinger)が提唱したもので、心理学の教科書に認知的不協和もしくは認知的不協和理論として紹介されています。

フェスティンガーは、①人は認知的不協和の状態を解消するために、矛盾があるものの一方の要素を変えようとする、②認知的不協和が大きいほど、不協和を少なくしようとする力は強く働くと考えました。

認知的不協和(認知的不協和理論)の具体例

認知的不協和の具体例をいくつか紹介します。

  • タバコを吸う人の認知的不協和
  • 酸っぱい葡萄
  • フェスティンガーの実験

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

認知的不協和の具体例1:タバコを吸う人の認知的不協和

冒頭にも紹介しましたが、タバコを吸う人の認知的不協和は、認知的不協和の代表的な例です。

タバコを吸う人は、タバコを吸うと肺がんになる確率が高くなるという事実を知らされると、タバコを吸うことと肺がんになる確率が高くなるという認知の間で認知的不協和を抱え、不快感を抱きます。

その結果、①禁煙するか(行動を変える)、②タバコが健康に及ぼす影響をを低く見積もることで、不協和状態を解消しようとします。

②の例としては、「タバコを吸っても長生きする人はいる。」、「タバコと肺がんに因果関係はない。」などと考えることが挙げられます。

間食が止められない人が「間食することでストレスが解消できる。」と考えたり、大酒を飲む人が「酒は百薬の長だ。」と主張したりするのも、タバコを吸う人の認知的不協和と同じことです。

認知的不協和の具体例2:酸っぱい葡萄

「酸っぱい葡萄」は、イソップ物語に登場する物語の一つです。

あらすじは以下のとおりです。

  • キツネがおいしそうな葡萄を見つける
  • 葡萄は高いところにあり、キツネがどれだけジャンプしても届かない
  • キツネは、「どうせ酸っぱくて不味い葡萄だろう。誰が食べてやるもんか。」と捨て台詞を吐いて立ち去る
  • その後、何匹ものキツネが失敗する
  • 最後に、一匹のキツネが葡萄を取ることに成功する
  • 失敗したキツネたちが、成功したキツネに向かって「酸っぱくて不味い葡萄をとるなんてけしからん。」と言う

この物語では、「葡萄を取ることができない。」キツネたちが、「酸っぱい葡萄なんて葡萄を取らない方が良い。」と状況を正当化することで不快感を軽くしています。

このように、どうしようもない状況を「どうもしない方が良い。」と正当化して不快感を軽くするのも認知的不協和の一つです。

例えば、どうしてもダイエットがうまくいかない人が「好きな物ばかり食べた方が幸せだ」と開き直ったり、結婚相手の見つからない人が「結婚なんてデメリットしかない。」と考えたりするのがこのパターンです。

負け惜しみのように思えるかもしれませんが、どうしようもない状況に押しつぶされず、自分の気持ちを正常に保つ方法として役立つことが多いものです。

認知的不協和の具体例3:フェスティンガーの実験

最後に、フェスティンガーが実際に行った認知的不協和の実験を見てみましょう。

実験の内容は、以下のとおりです。

  • 学生につまらない単純作業をさせて報酬を支払う
  • 作業をした学生に、後から同じ作業に取り組む学生に対して「作業が面白いこと」を伝えさせる
  • 支払う報酬額を変えて実験を繰り返す

つまらない単純作業をさせられた学生は、「単純作業がつまらなかった」という認知(事実)と、それを楽しく伝えるという認知の間で不協和を抱くことになります。

実験では、報酬を増やしたり減らしたりすることで、作業の面白さを伝える程度の違いを確認し、「報酬が少ない学生は、報酬が多い学生に比べてより作業の面白さを伝える」という結果となりました。

フェスティンガーは、この結果について、「報酬の少ない学生は、「報酬が少なく金銭的には割りに合わないけれど、作業自体は面白かったかもしれない。」と考え、認知的不協和を軽減しようとした。」と考えました。

まとめ

認知的不協和(認知的不協和理論)について紹介しました。

あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、具体例を見て「あるある」と思った人もいたのではないでしょうか。

学習で考えてみると、ある科目の成績がどうしても伸びない子どもが「子の科目を勉強しても、将来何の役にも立たない。」と開き直るといったことはよくあります。

一時的には認知的不協和による不快感が和らいで良いのですが、開き直りや正当化ばかりを続けていると、勉強に対する意欲を失い、取り組み方も後ろ向きになってしまうので、注意が必要です。