知育ノート

赤ちゃん、幼児、子供の力を伸ばす知育、知育玩具、関わり方やそれらに関する知識を紹介しています。

一貫性の原理とは?具体例は?フットインザドアも一貫性の原理の応用?

スポンサーリンク

スポンサーリンク

ずっとCDを買い続けている歌手の新曲がそれほど良くなくても、「好きな歌手のCDだから」という理由で買ってしまうことはありませんか?

また、単行本を買い続けているマンガについて、面白くなくなったと感じるようになった後も、新刊が出ているのを見つけてつい買ってしまったということはありませんか?

今回紹介する一貫性の原理は、人が何かと物事に一貫性を持たせようとすることに関する心理学用語です。

この記事では、一貫性の原理の概要と具体例(ビジネス、行動など)について紹介します。

一貫性の原理とは

一貫性の原理とは、人が行動や態度、発言などについて一貫性を保ちたいと考える心理のことです。

人は、はたから見ると非合理的なことであっても、たとえ自分でも「何となくおかしなことをしているな。」と感じていても、いったん決めたや言ったことを変えようとせず、始めた行動も止めようとしないものです。

一貫性の原理が働く原因

ではなぜ人には一貫性の原理が働くのでしょうか。

原因は大きく分けて2つあります。

  • 社会の中で肯定的な評価を受けやすい
  • 選択にかかる負担を軽減できる

それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

一貫性の原理が働く原因1:社会の中で肯定的な評価を受けやすい

人は誰でも社会の中で生きています。

社会とは人の集まりのことです。

人は、社会の中で他人と空間を共有したり互いに影響を与え合ったりしながら生きており、社会の中では、行動や態度、発言などが一貫している人は、高く評価されやすい傾向があります。

社会内で成功した人や社会的地位の高い人に一貫性がある人が多いことから、「一貫性がある=人格的にも優れている、信頼できる、知的である」と考えられやすいためです。

また、一貫性がある人は、言うことややることがコロコロ変わることがなく、人として接しやすいですし信頼もできるため、肯定的な評価を受けやすいものです。

つまり、人は、社会的に肯定的な評価を受けやすく、良好な対人関係を築きやすいことから、一貫性を保とうとするのです。

一貫性の原理が働く原因2:選択にかかる負担を軽減できる

現代社会に生きる人は、日常生活の中で常に選択することを求められています。

「朝食は和食か洋食か」、「通勤手段は電車かバスか自転車か」、「今日はどちらの服を着ていくか」、「出勤時間は始業の何分前か」、「上司にふられた仕事をいつ着手するか」など、とにかく選択することが無数にあります。

一つひとつの選択をいちいち意識して行うとなるとその負担は膨大で、選択することだけで一日が終わってしまいます。

そのため人の脳は、同じ状況や条件下では同じ選択をすることで、選択にかかる負担をなるべく軽減させようとします。

この働きが一貫性につながるわけです。

例えば、就職直後は「通勤手段を電車にするかバスにするか」などを迷いますが、慣れてくると「何時何分のバスに乗る」という選択を無意識のうちに自動的に行うようになり、通勤手段に関する選択にかかる負担がなくなります。

そして、周囲の人からは、「あの人は(一貫して)何時のバスに乗って出勤している。」と認識されるようになります。

一貫性を保つことは大変だと思うかもしれませんが、言い換えると「最初に決めたことを貫くだけ」なので、何かを選択する場面においては、色々考えずに済むためとても楽なものです。

一貫性の原理が働きやすい状況

一貫性の原理が働きやすいのは、以下の状況です。

  • 物事に関わりを持つ
  • 他人に注目されている

一貫性の原理が働きやすい状況1:物事に関わりを持つ

自ら何らかの物事に関わりを持った場合、一貫性の原理が働きやすくなります。

例としては、ある人からちょっとした手伝いを頼まれて引き受けた場合、その後、同じ人から別のお願いをされると断りづらくて引き受けることが挙げられます。

一貫性の原理が働きやすい状況2:他人に注目されている

他人が見ているところと見ていないところでは、行動や態度が変化するものです。

一貫性の原理は、他人の目がある方が強く働く傾向があります。

例えば、禁酒する場合、一人で禁酒することを決めて実行するよりも、禁酒することを家族や友人に宣言して実行した方が長続きすることが多いものです。

一貫性の原理の具体例

冒頭にも少し紹介しましたが、一貫性の原理の具体例をいくつか見てみましょう。

一貫性の原理の具体例1:CDや単行本を買い続ける

冒頭で紹介したように、一度好きな歌手のCDやマンガの単行本を買い始めるとずっと買い続けてしまうことは良くあります。

それほど好きではないのに「好きな歌手の曲だから。」、「最初から読んでいるから。」などと理由をつけて買い続けるのは、最初に「この歌手のCDを買おう。」、「このマンガの単行本を買おう」という選択を貫いているためです。

一貫性の原理の具体例2:面白くない映画を観続ける

最初の10分で飽きてしまった映画でも、「せっかく借りてきたしもったいない。」、「後半は面白くなるかもしれない。」などと何かと理由をつけてみるのも一貫性の原理によるものです。

最初に「この映画を観よう」と決めたことを貫こうとしているのです。

一貫性の原理の具体例3:段階的要請法(フット・イン・ザ・ドア・テクニック)

段階的要請法(フット・イン・ザ・ドア・テクニック)とは、最初はリスクや損のない小さな要求をして客に受け入れさせ、その後、少しずつ大きな要求をしていくテクニックです。

フット・イン・ザ・ドアというのは、一昔前に流行った訪問販売で、訪問先の家主がドアを開けた隙間に足を差し入れてドアを閉められないようにし、「話だけ聞いて」と頼み込んで商談を続けるテクニックのことです。

最近は訪問販売自体が規制され、本来のフット・イン・ザ・ドアは見かけなくなりましたが、段階的要請法(フット・イン・ザ・ドア・テクニック)は現在も色々な場面で見かけます。

段階的要請法(フット・イン・ザ・ドア・テクニック)の例1:買い物
  • A:スーパーで牛乳を買いに行ってくれる?
  • B:良いよ。
  • A:あ、隣の薬局で風邪薬も買ってきてくれないかな?
  • B:うん。薬の名前を教えて。
  • A:はーい。そうだ、ついでにこれをポストに投函してきてくれる?
  • B:・・・OK
段階的要請法(フットインザドアテクニック)の例2:勉強
  • A:夏休みの宿題プリント、今日の分だけやってしまおうか?
  • B:うん。
  • A:あ、そういえば読書感想文を書くための課題図書も読み始めたら?
  • B:そうだね。
  • A:ついでに夏休み日記もたまってた分を書いてしまおうね。
  • B:・・・うん
段階的要請法(フット・イン・ザ・ドア・テクニック)の例3:アンケートの依頼
  • A:少しお話しだけでも聞かせてもらえませんか?
  • B:話だけなら良いですよ。
  • A:立ち話も何なので、お店に入ってお茶を飲みながらお話を聞かせてください。
  • B:じゃあ、少しだけ。
  • A:お話しいただいた内容を書き込むだけで結構なので、アンケートの回答をお願いします。
  • B:あ、はい・・・

まとめ

一貫性の原理について紹介しました。

一貫性の原理は、最近ではビジネスの分野で注目されていますが、うまく利用すれば教育においても効果を発揮するものです。

学校教育ではあまり見かけませんが、進学塾などでは一貫性の原理を利用した生徒指導を行っているところもありますし、家庭で実践しているところもあるようです。

ただし、子どもを相手にする場合、テクニックに頼りすぎると信頼を失ってしまうので、多用は禁物です。

まずは子どもが自発的に勉強に取り組むよう促し、子どものモチベーションや自尊心を高めるためのスイッチとして一貫性の原理を利用したテクニックを使ってみましょう。