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知育ノート

赤ちゃん、幼児、子供の力を伸ばす知育、知育玩具、関わり方やそれらに関する知識を紹介しています。

古典的・レスポンデント条件付けとオペラント条件付けとは?違いと例は?

心理学用語 心理学用語-条件付け

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古典的条件付け(レスポンデント条件付け)とオペラント条件付けは、いずれも学習に関する心理学用語で、子どもの学習方法の進化にも大きな影響を与えています。

しかし、そもそも言葉を知らない人が多く、また、言葉は知っていても「違いは?」、「それぞれの具体例は?」と聞かれてパッと答えられる人はあまりいません。

この記事では、古典的条件付け(レスポンデント条件付け)とオペラント条件付けの概要、2つの条件付けの違いと具体例について紹介します。

古典的条件付け(レスポンデント条件付け)とは

古典的条件付けとは、中性刺激と無条件刺激を繰り返し対呈示することで、中性的な刺激によって生理的反射を引き起こすようにすることです。

  • 生理的反射(無条件反射):生き物が本来持っている反応
  • 生理的刺激:生理的反射を引き起こす刺激
  • 中性刺激:無条件反射を引き起こさない刺激

英語では、「Classical conditioning」もしくは「Pavlovian conditioning」と表記し、パブロフ型条件付けやレスポンデント条件付けと訳されることもあります。

古典的条件付けの具体例(「パブロフの犬」)

古典的条件付けの具体例としては、「パブロフの犬」という実験が有名です。

「パブロフの犬」実験は、ソビエト連邦(現ロシア)の生物学者イワン・パブロフが行った実験です。

実験内容は、次のとおりです。

犬は生まれつき「唾液を分泌する」という生理的反射を持っている前提で、内容を確認してください。

  1. 犬に特定の音(中性刺激)を聞かせる(メトロノームだと言われている)
  2. 犬に餌を与える(生理的刺激)
  3. 1.~2.を繰り返す
  4. 犬は、特定の音を聞いただけで唾液を出すようになる

1.~2.の過程が条件付けです。

条件付けが完成後は、犬の唾液を引き起こす特定の音を「条件刺激」、唾液を閔妃つすることを「条件反応」と呼びます。

つばの分泌が無意識的に調節されている点において、通常の学習とは異なっています。

オペラント条件付けとは

オペラント条件付けとは、特定の自発的な行動をした時に、報酬(正の強化刺激)や罰(負の強化刺激)を与えることで、その行動を強化もしくは弱化させることです。

オペラントとは、オペラント条件付けを体系的に研究したアメリカの心理学者バラク・フレデリック・スキナーが、自発的に行動するという意味の「operate」をもじって造った言葉です。

  • 正の強化刺激:オペラント行動(自発的な行動)の出現頻度を高める刺激
  • 負の強化刺激:オペラント行動の出現頻度を低める刺激
  • 強化:オペラント行動の出現頻度が高まること
  • 弱化:オペラント行動の出現頻度が低まること

英語では、「operant conditioning」もしくは「instrumental conditioning」と表記されます。

オペラント条件付けは、心理学の領域にとどまらず、運転などのスキルトレーニング、アルコールや薬物などの治療、発達障害の子どもの療育、リハビリといった分野で現在も応用されています。

オペラント条件付けの具体例(「スキナー箱」)

オペラント条件付けの具体例としては、「スキナー箱」という実験が有名です。

「スキナー箱」実験は、オペラントの名付け親であるスキナーが行った実験で、内容は次のとおりです。

  1. スキナー箱(レバーを押すと餌が出てくる仕組みが設けられた箱)を準備する
  2. スキナー箱に、食事を与えていないネズミを入れる
  3. ブザーが鳴った時にレバーを押すと餌を与えるようにする
  4. ネズミは、ブザーの音を聞くとレバーを押すようになる

スキナー箱は、オペラント行動の出現頻度を高める正の強化の例です。

古典的条件付けとオペラント条件付けの違い

古典的条件付けとオペラント条件付けの基本を確認したので、次は2つの条件付けの違いについて見ていきましょう。

古典的条件付けとオペラント条件付けの違い1:受動か能動か

古典的条件付けは、パブロフの犬実験に代表されるように「受動的な」条件付けです。

パブロフの犬以外では、梅干しの例が有名です。

最初は、梅干しを見ただけでは唾液は分泌されず、梅干を食べた時に唾液が分泌されますが、食べ続けるうちに梅干を見ただけで唾液が出るようになります。

一方のオペラント条件付けは、「能動的な」条件付けです。

スキナー箱の実験では、ネズミの自発的な行動に対して報酬を与えることで、その行動の出現頻度を上げていました。

他にも、子供がテストで良い点数を取ったらご褒美をあげることで、子どもの勉強する頻度を高めるというのもオペラント条件付けです。

このように、オペラント条件付けは、報酬や罰によって、人や動物の能動的な行動の出現頻度を高めたり低めたりします。

古典的条件付けとオペラント条件付けの違い2:随意か不随意か

古典的条件付けによる行動は、元々は生き物が本来的に持っている反射によって引き起こされる、不随意(自分の意思ではコントロールできない)反応です。

例えば、パブロフの犬実験において犬が唾液を分泌するのは、不随意反応です。

一方で、オペラント条件付けによる行動は、元々持っている反射とは関係なく、生き物が自発的に行う随意反応です。

スキナー箱実験において、ネズミはレバーを押すのは随意反応です。

オペラント条件付けと学校教育(オペラント教育)

オペラント教育とは、子どもの自主的・自発的な行動を尊重しながら、オペラント条件付けの理論や方法を活用して、子どもの良い行動を伸ばし、悪い行動を減らしていく教育です。

オペラント条件付けを活用した教育をまとめてオペラント教育と呼ぶことがあるのです(まだ、一般的に浸透した呼び方とまでは言えません。)。

例えば、生徒がテストで良い点を取ったり、困っているクラスメイトを助けたりしたらたくさん褒め、より勉強したり、クラスメイトに優しく接したりするよう促します。

一方で、クラスメイトを叩いたり、教室内の物を壊したりしたら見逃さずに指導し、暴力を止め、落ち着いて行動することを覚えさせます。

オペラント条件付けを活用した教育は、家庭においても手軽に実践できるもので、実際に家庭向けの教育プログラムも開発されています。

オペラント条件付けを活用した教育プログラム(治療プログラム)

  • シェイピング法:一定の行動を獲得させるために、行程をスモールステップに分けて成功体験を積ませながら、最終的に目標とする行動を獲得させるプログラム
  • トークンエコノミー法:子どもが特定の良い行動をした時に、ご褒美を与えて強化するプログラム
  • ペアレントトレーニング:発達障害の子どもを持つパパママを対象とした、子どみの好ましい行動を増やし、好ましくない行動を減らすためのテクニックを、パパママが身につけるためのプログラム

まとめ

古典的条件付けやオペラント条件付けの考え方が示されたのは数十年前ですが、心理学の世界や教育現場では、今でも基礎的な知識として学ばれています。

また、条件付けに基づいた治療プログラムや教育プログラムも次々に開発されており、子どもの知育や教育を考える上で知っておきたい知識の一つです。

特に近年、オペラント条件付けを活用した、発達障害の子どもに対する教育プログラムや、発達障害の子どものパパママに対するペアレントトレーニングが注目を浴びるようになっているので、発達障害の子どもを育てるパパママには、ぜひ知っておいてもらいたいところです。