知育ノート

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コーピングとは?ストレスコーピングのスキルとやり方は?

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現代社会は、ただ日常生活を送っているだけでもストレスが蓄積していく「ストレス社会」です。

大人のストレスと言えば、仕事、職場の人間関係、夫婦仲、生活苦、将来への不安などが挙げられます。

一方で、大人だけでなく子どもも、友人関係、学校生活、勉強、スポーツなどで、日常生活のさまざまなところでストレスを感じています。

しかし、日常生活の中で感じるストレスのほとんどは、なくすことができません。

例えば、仕事にストレスを感じていても簡単に転職できるわけではありませんし、成績が振るわないことにストレスを感じてもすぐ勉強ができるようになるわけでもありません。

そこで、重要になるのが、ストレスの対処法を身につけておく事です。

コーピングは、学校や会社で活用されているストレス対処法の一つで、大人も子どもも実践できることで注目されています。

コーピングのスキルにはどのようなものがあるのでしょうか?

また、コーピングの具体的なやり方はどのようなものなのでしょうか?

この記事では、コーピングの概要、コーピングのスキルとやり方について紹介します。

コーピングとは

コーピングとは、ストレスの原因となるもの(ストレス要因)や、ストレス要因によって起こる感情に対処し、ストレスを解消もしくは緩和させるための認知・行動の取り組みのことです。

英語では「coping」と表記し、日本ではストレスコーピングやストレス対処法などと訳されています。

コーピング(coping)は、英語の「cope(問題に対処する)」に由来しています。

ストレスの要素(ストレッサー、認知、反応)

ストレスコーピングを理解するには、まず、ストレスが何からできているのかを把握しておく必要があります。

ストレスの要素は、大きく分けると3つあります。

  • ストレッサー
  • 認知(物事に対する個人の評価や捉え方)
  • ストレス反応

それぞれについて、詳しく見てみましょう。

ストレッサー(stresser)

ストレッサーとは、ストレスを生じさせる刺激のことです。

ストレッサーは、物理的なストレッサーと精神的なストレッサーに分けることができます。

  • 物理的なストレッサー:気温(暑い、寒い)、湿度、騒音、事故、ケガ、勉強や仕事の量の多さなど
  • 精神的なストレッサー:気まずい人間関係、いじめ、他人からのプレッシャー、目標に対するプレッシャーなど

 

認知(物事に対する個人の評価や捉え方、cognition)

認知とは、ある物事を五感で捉え、それを評価・解釈・判断をすることです。

「ある物事をはっきりと知覚すること」と説明されることもありますが、人は、ある物事を知覚すると、知識や経験に基づいて何らかの評価・解釈・判断を下しているので、ここではあえて上のような書き方をしています。

人は、ある物事をストレッサーだと認知することで初めてストレスを感じるものであり、また、何をストレッサーだと認知するかは一人ひとり異なります。

例えば、快適と感じる気温や湿度には個人差がありますし、同じ先生に対して「やさしい」と感じる子どももいれば、「おせっかいでうるさい」と感じる子どももいます。

ストレス反応(stress reaction)

ストレス反応とは、ストレッサー(刺激)を認知した場合に生じる反応のことです。

ストレス反応には、身体的反応と心理的反応の2つがあります。

  • 身体的反応:頭痛、めまい、吐き気、動悸、胃痛、疲労、不眠、食欲不振、倦怠感、じんましん、身体の痛みなど
  • 心理的反応:抑うつ、躁鬱、無関心、無感動、焦燥感、いら立ちや怒り、不安感、集中力の低下など

身体的反応や心理的反応が生じた結果、学業成績の低下、遅刻・欠席・早退の増加、引きこもり、粗暴傾向、非行、逃避行動などが見られるようになり、社会生活に支障が出るようになってしまいます。

身体的反応や心理的反応の段階では本人しか気づいておらず、具体的な反応が表面化して初めて親や周りの人間が気づくことが多くなっています。

「ストレスは誰でも感じているものだ。」、「これくらいのことでストレスを感じていては先が思いやられる。」などと考えて、子どものストレスに気づいても放置する親がいます。

しかし、子どもが一人で強いストレス状況下から立ち直ることは困難で、また、ストレスが慢性化して精神病を発症したり、社会生活が営めなくなったりするリスクも高くなります。

ストレスコーピングの種類とやり方

ストレスは、何にストレスを感じるのか、いつストレスを感じるのか、ストレスが社会生活に影響を及ぼす程度はどのくらいかなど、感じ方や程度は千差万別ですが、ストレスを構成する要素は①ストレッサー、②認知、③ストレス反応の3つのみです。

コーピングでは、ストレスを構成する要素のうち、ストレッサーに働きかける方法と、認知に働きかける方法があります。

  • 問題焦点型コーピング
  • 情動焦点型コーピング

それぞれについて、詳しい内容とやり方を見ていきましょう。

ストレスコーピング1:問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングとは、ストレッサー(ストレスの原因となるもの)に働きかけるコーピングです。

ストレッサーを解消し、ストレッサーを認知せずに済むようにすることで、ストレスを感じなくする方法です。

「外科手術で悪性腫瘍を切り取る」のと同じように、ストレスの原因を根本的になくしてしまうため、成功すればストレスを感じることがなくなります。

しかし、実際の社会生活の中で問題焦点型コーピングを完全に成功させることは難しいのが現状で、情動焦点型コーピングと合わせて実践することが多くなっています。

問題焦点型コーピングのやり方

子どもが学校でいじめを受けている場合を例にして、問題焦点型コーピングを考えてみましょう。

いじめられている子どもが、いじめっ子にいじめを止めるよう言い、いじめを止めさせるのが問題焦点型コーピングです。

いじめられていることを親や教師に相談し、教師からいじめっ子を注意してもらっていじめを止めさせるのも、やや間接的ではありますが問題焦点型コーピングです。

転校をするという選択肢も考えられますが、気持ちの整理や手続き面などから簡単に踏み切ることは難しいでしょう。

ストレスコーピング2:情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピングとは、ストレッサーに対する認知の仕方を変えるコーピングです。

問題焦点型コーピングがストレッサーそのもの(自分以外の何か)の解消を目指しているのに対して、情動焦点型コーピングは、ストレッサーの存在そのものは置いておいて、その認知の仕方(自分の評価・判断・解釈)を変えることでストレスの緩和を目指します。

情動焦点型コーピングのやり方

小学生までは成績優秀だったのに、中学校に進学した途端に成績が降下した場合を例に考えてみましょう。

情動焦点型コーピングでは、「自分とは別の小学校にいた頭の良い奴が進学してきた(自分が授業についていけていないわけではない。)。」、「これから巻き返しを図るチャンスだ。」などと、成績が下がった現状を肯定的に捉え、ストレスを緩和することを目指します。

ここで重要なのは、客観的にどうかではなく、ストレスを感じている本人が、ストレスを感じている状況を肯定的に認知し、ストレスを緩和できるかどうかです。

ストレスコーピング3:一時的コーピング

問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングは、うまくいけばストレスの解消もしくは緩和につながる強力なストレス対処法です。

しかし、現実場面においては、必ずしもこの2つがうまくいくとは限らず、むしろ、なかなか功を奏さないことが多いでしょう。

そんな時に役立つのが、一時的コーピングです。

一時的コーピングとは、根本的なストレス対処法ではないものの、一時的にストレスを緩和させるコーピングです。

一時的コーピングでは、ストレスが高まった状況下で、自分の好きなことややりたいことを実践することで、一時的にではあるもののストレスを軽減させることを目指します。

ゲーム、スポーツ、プラモデル、買い物など何でも良いので、息抜きになることをする時間を確保し、確実に実践することが大切です。

まとめ

コーピングについて紹介しました。

コーピングは、ストレス社会を生き抜く人に役立つスキルであり、学業成績、人間関係、進路など子どものストレスにも効果を発揮します。

子どもが一人でコーピングを実践することはなかなか難しいので、親がその内容を理解し、子どもと一緒に実践してあげましょう。