知育ノート

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子どもの虐待の定義と種類は?しつけ・体罰との違いは?

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児童虐待が大きな社会問題となっています。

親が子どもを激しく殴ったり、育児を放棄したりした結果、子どもが命を落とすというニュースは後を絶ちません。

ニュースにはならなくても、親から性的虐待を受けて心と体に傷を負った子どもや、親の暴言や過干渉などにさらされて精神的に不安定になった子どもなど、虐待によって人生がくるってしまうケースも水面下では増え続けています。

本来、「親は子どもを守り育てる存在」であるべきです。

それなのに、親としての義務を放棄したり、「子どもは親のいうとおりにするべき。」などと勘違いしたりして、子どもの人生を土足で踏みにじる親が一定数いるのです。

そうした親は、自分が子どもを虐待しているという認識を持っていないことが多く、「しつけのつもりだった。」、「体罰を与えないとまともな大人になれない。」などと耳を疑うような発言を平気でする傾向があります。

一方で、児童虐待まではしないけれど、しつけと虐待の境界線についての認識が曖昧で、何かきっかけがあれば一線を踏み越えてしまいかねない親も少なからずいるのが現状です。

では、児童虐待とは何なのでしょうか。

児童虐待は、しつけや体罰とどう違い、どのような種類があるのでしょうか。

また、子どもを虐待する親は、どのような心境なのでしょうか。

この記事では、児童虐待の定義、種類、しつけ・体罰との違いについて紹介します。

児童虐待とは(定義)

児童虐待とは、保護者が子どもの心や身体を傷つけることです。

児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)では、第二条において児童虐待が以下のとおり定義されています。

第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。

三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。

四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

ここでいう保護者とは、実のパパママに限らず、子どもを継続的に育てる立場にある人のことです。

例えば、義理の親、用紙を引き取って育てている養親や祖父母、身上監護を行っている未成年後見人、子どもが入所した施設の職員なども保護者に該当します。

引用:児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二条)|厚生労働省

児童虐待の種類

先に引用した「児童虐待の防止等に関する法律」では、児童虐待は以下の4種類に分類されています。

  1. 身体的虐待
  2. 性的虐待
  3. ネグレクト
  4. 精神的虐待

児童虐待の種類1:身体的虐待

身体的虐待とは、保護者が子どもの身体に暴行を加えることです。

例えば、子どもを殴る、蹴る、投げる、落とす、必要以上に激しく揺さぶる、やけどさせる、水の中に顔を押し込む、首を絞める、拘束することなどが身体的虐待に当たります。

身体的虐待を受けた子どもは、ケガ(打撲、ねんざ、骨折、切傷、やけど、出血など)をすることがあり、最悪の場合は命を落としてしまいます。

身体の表面に傷やあざが残るので、周囲の人が虐待に気づきやすいものですが、中には、衣類で隠れる部位にのみ暴行を加えられ、周囲の人に気づかれるまでに時間がかかるケースもあります。

児童虐待の種類2:性的虐待

性的虐待とは、保護者が子どもに性的な行為を強要することです。

性的行為をさせるだけでなく、大人の性的行為を見せたり、性器を触ったり触らせたりする、裸の写真や動画を撮影したりすることも性的虐待に当たります。

性的虐待は、子どもが自ら周囲の人に助けを求めて初めて発覚することが多い虐待です。

しかし、年齢が低くて虐待されていることに気づいていない、親への気兼ねや恥ずかしさから打ち明けられないといった理由から、助けを求められないまま虐待を受け続ける子どもが少なくありません。

児童虐待の種類3:ネグレクト

ネグレクトとは、子どもの監護養育を怠けたり、放棄したりすることです。

食事を与えない、子どもを家の中に残して何日も帰宅しない、子どもが病気になっても放置するといったことを継続することがネグレクトにあたります。

児童虐待の種類4:精神的虐待(心理的虐待)

精神的虐待(心理的虐待)とは、言葉や行動、態度によって子どもの心を傷つけることです。

言葉で脅す、無視をする、きょうだい間で差別する、子どもの目の前で家族に暴力を振るうといったことが精神的虐待に当たります。

精神的虐待の特徴は、周囲の人が気づきにくい上に、虐待かどうかの判断が難しいことです。

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児童虐待としつけ・体罰の違い

性的虐待以外の児童虐待は、しつけの延長として始まることが多くなっています。

虐待をしている親の中には、自身の子どもへの関わりが児童虐待であるという認識が乏しく、「しつけの一環だ。」と主張する人も少なからずいるものです。

では、児童虐待としつけの境界線はどこにあるのでしょうか。

しつけとは

しつけとは、子どもが社会生活に適応するために必要な習慣、ルール、スキルなどを身につけさせるための関わりです。

子どもが小さいうちは、健康的で規則的な生活習慣の確立がしつけの中心ですが、、年齢を経るにつれて、家庭、保育園・幼稚園、学校、習い事など集団で過ごす場面での振る舞い方を身につけさせることへとシフトしていきます。

また、子どもが非行に走るなど社会のルールから逸脱した場合に、引き戻すこともしつけに含まれています。

児童虐待としつけの違い1:目的(子どものためか、親のためか)

しつけは、「子どもが、社会生活に適応するために必要なことを身につけさせる」という明確な目的をもって行われます。

一方の児童虐待は、親のストレスや不快な感情、欲求などの発散を目的として行われます。

虐待親は、「子どものためだ。」、「しつけだ。」と言い訳しますが、子どものことなど考えておらず、自分の不快感や欲求のはけ口として子どもを利用しているのです。

児童虐待としつけの違い2:子どもの成長発達に合った関わり方をしているか否か

しつけは、子供の成長発達を見極め、それに合った関わり方をするものです。

例えば、散らかった部屋の片づけをさせるにしても、幼児期の子どもなら親子一緒に片づけることを提案し、片づけ方を優しく教えてあげますが、学齢期に入った子どもには口頭で指示したり、時には少しきつめに指導したりすることもあるでしょう。

また、子どもが適切な行動ができるようになるまで、粘り強く、繰り返し関わることもしつけに求められる重要な要素です。

一方の児童虐待は、親自身の不快感や欲求の発散が目的であり、子どもの成長発達など考えず、その場の感情に任せて子どもに関わります。

例えば、ちょっとした失敗をした小さい子どもに対してイライラし、頭ごなしに叱りつけたり、執拗に体罰を加えたりします。

また、「子どもの行動が、その場ですぐ自分の思い通りに変化すること(即効性)」を求め、思い通りにならないとさらに苛烈な虐待に及ぶ傾向があります。

児童虐待としつけの違い3:行動の一貫性

しつけでは、親が自身の中でしつけの「基準」を持ち、その基準に照らして「是々非々(良いことは良い、悪いことは悪い)」の姿勢で子どもに関わります。

そのため、子どもへの関わり方に一貫性がありますし、しつけを受ける子どもにとっても「これはやって良いことなんだ。」、「これはダメなんだな。」ということがよく分かります。

しつけをする中で、ついイライラして声を荒げ、中には手を挙げてしまうこともあるかもしれません。

好ましいことではありませんが、それでも本当に子どものためを思っての行動であれば、不適切な行動がエスカレートする前に自制が効くはずです。

一方の児童虐待は、その場の気分や感情に突き動かされて行動するため、行動に一貫性がなく、時と場合によって虐待行為がエスカレートしやすいものです。

虐待を受ける子どもは、四六時中、「いつ何時、何をされるか分からない。」という恐怖にさらされることになります。

児童虐待と体罰の違い

体罰は、児童虐待です。

体罰を肯定する親は、「しつけのためなら体罰もやむを得ない。」、「自分は親の体罰によってまともな人間になれたので、子どもにも同じことをして何が悪い。」などと主張しますが、間違いです。

体罰は暴力で、それも、力の強い者から弱い者へ一方的に加えられる暴力であり、虐待以外の何物でもありません。

しつけの中で、つい感情的になって叩いてしまったというレベルであれば、やむを得ないと考えることもできるかもしれませんが、2度3度と継続的に体罰を加えることは間違いなく虐待です。

体罰は、子どもに恐怖心を植え付けるだけでなく、親への不信感や怒り、やり場のないストレスを抱え込ませます。

そして、そうした感情やストレスは、友達への粗暴行為や万引きなど家庭以外の場所で不適切に発散されることになりますし、将来的には非行や不良行為に発展するリスクもあります。

まとめ

児童虐待の定義や種類、しつけ・体罰との違いについて紹介しました。

性的虐待をのぞく児童虐待は、しつけの延長線上で起こることが多く、一旦虐待が始まるとエスカレートして、子どもの心や身体に深刻な傷を残すことになります。

児童虐待に至る経緯や状況は家庭によって様々ですが、親としては、自分の行為が子どものためであるか、自分のためであるかについて、普段から意識してチェックする習慣をつけておきたいものです。