知育ノート

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馴化と脱馴化とは?読み方と意味、具体例は?馴化-脱馴化法とは?

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「電車通勤を続けるうちに電車の揺れや音が気にならなくなった。」という経験はありませんか?

このように、同じ刺激を繰り返し感じているうちに、その刺激に対する反応が徐々に薄れていくことは、日常生活の中ではよく起こります。

心理学の世界では、こうした現象を「馴化」と呼んでいます。

では、「脱」馴化とはどういう現象でしょうか?

また、馴化を一般的な言葉で表現するとどんな言葉が近いでしょうか?

この記事では、馴化と脱馴化の概要(意味、読み方、特徴)と具体例について紹介します。

馴化とは

馴化とは、ある特定の刺激に繰り返し長時間にわたって接することで、その刺激に対する反応が薄れていく現象です。

英語では「habituation」と表記し、日本語では馴化(じゅんか)と訳されています。

一般的な言葉で表現するとすれば、「慣れ」や「順応」が近いでしょう。

馴化は、人に限らず動物の多くが示す現象であることが分かっています。

馴化の特徴

馴化には、以下の特徴があります。

  • 弱い刺激の方が強い刺激より馴化が起こりやすい
  • 単調な刺激の方が複雑な刺激より馴化が起こりやすい
  • 馴化した刺激以外の刺激に注意が向きにくくなる
  • 似たような刺激にも馴化が起こる
  • 馴化した刺激をしばらく与えられないでいると、反応が戻る

馴化は、単調で弱い刺激が繰り返し提示される場合に最も起こりやすく、一方で、強い刺激や複雑な刺激だと繰り返し提示されても起こりにくいものです。

馴化した刺激以外の刺激に対する注意が向きにくくなるという特徴もあります。

ただし、注意が向きにくくなるのは、馴化刺激と同時に提示された刺激であり、ある刺激に馴化した後に新しい刺激が与えられると、それには反応を示します。

また、馴化するのは特定の刺激ですが、馴化した刺激と似た刺激が与えられると、その刺激に対する反応も薄いもしくは示さないことがあります。

加えて、馴化した刺激であっても、しばらく刺激を受けない状態が続くと反応が自然に回復していきます。

馴化の具体例

馴化の具体例としては、電車で眠くなる現象や赤ちゃんの寝かしつけが有名です。

馴化の具体例1:電車で眠くなる現象

電車に長時間乗っていると眠くなることがありますが、実は、馴化が関係しています。

電車に乗っていて眠くなる理由について、流れで見てみましょう。

  1. 電車に乗りたての頃は、ガタンゴトンという音や、激しい揺れが気になり、それらの刺激に意識が集中する。
  2. 電車の音や揺れに意識が集中することで、その他の刺激に注意が向きにくくなる
  3. 電車の音や揺れを繰り返し感じるうちに、慣れてきて気にならなくなる(馴化)
  4. 電車の音や揺れも、その他の刺激も気にならなくなる(眠気を妨げる刺激に注意が向かなくなる)
  5. 眠気を感じる

人は、周囲のさまざまな刺激に注意を向けることで眠気を感じず起きていますが、そうした刺激に注意が向かなくなることで眠気を感じるようになるわけです。

馴化の具体例2:赤ちゃんの寝かしつけ

もう一つ、赤ちゃんの寝かしつけの例を見てみましょう。

  1. 赤ちゃんの背中をトントンする
  2. 赤ちゃんの意識が背中トントンに集中し、他の刺激に向きにくくなる
  3. 背中トントンに馴化し、気にならなくなる
  4. 背中トントンにも、その他の刺激にも注意が向かなくなる
  5. 寝る

これも電車の例と同じ原理です。

脱馴化とは

脱馴化とは、ある刺激に馴化した状態で、別の新しい刺激を与えられると、刺激に対する反応が復活する現象です。

英語では「dishabituation 」と表記し、日本語では脱馴化(だつじゅんか)と訳されています。

脱馴化の具体例

脱馴化の具体例についても、馴化の例として紹介した電車と赤ちゃんの寝かしつけでみてみましょう。

脱馴化の具体例1:電車
  1. 電車の音や揺れに馴化した状態で眠気を感じている
  2. 電車が急ブレーキをかけ、車内が大きく揺れる
  3. 急ブレーキの影響でハッと目がさえる
  4. 電車が再び動きだすと、乗りはじめと同じくらい音や揺れを感じる
脱馴化の具体例2:赤ちゃんの寝かしつけ
  1. 赤ちゃんが背中トントンでウトウトしている
  2. トントンのテンポを変えたり、トントンを止めたりする
  3. 赤ちゃんが目を覚まし、泣き始める

馴化-脱馴化法とは

馴化と脱馴化は、心理学の研究、特に乳幼児の知覚や認知の研究において重要な役割を果たしてきました。

馴化と脱馴化を活かした研究方法の一つが、馴化-脱馴化法です。

馴化-脱馴化法とは、言葉を覚えていない乳幼児の知覚や認知を研究するための方法の一つです。

馴化-脱馴化法では、馴化と脱馴化の現象を利用して、乳幼児が与えられた刺激を区別できているかどうか確認します。

馴化-脱馴化法のおおまかな流れは、以下のとおりです。

  1. 乳幼児に刺激Aを与えて注意を向けさせる
  2. 乳幼児に刺激Aを繰り返し与え、馴化させる
  3. 乳幼児が刺激Aに馴化したところで、刺激Bを与えて反応を見る

乳幼児は、周囲に対する強い好奇心を持っているため、新しく与えられた刺激に対しては長い時間注意を向けます。

しかし、同じ刺激が繰り返し与えられるうちに、その刺激に対して注意を向ける時間が徐々に減少していきます(馴化)。

その状態で新しい刺激を与え、脱馴化が起こるかどうかを確認し、脱馴化が起これば、前の刺激と後の刺激を弁別(区別)できている、脱馴化が起こらなければ、弁別できていないと判断します。

まとめ

馴化と脱馴化について紹介しました。

あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、乳幼児研究では重要な役割を果たしてきましたし、知育でも馴化と脱馴化を活用したものがいくつも開発されています。