知育ノート

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ヤマアラシのジレンマの意味とは?ジレンマの具体例と解決法は?

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心理学用語の一つにヤマアラシのジレンマというものがあります。

ヤマアラシのジレンマは、エヴァンゲリオンというアニメのサブタイトルで使用され、アニメの中身でも言及されたことで有名になりましたが、どのような現象なのかはあまり知られていません。

この記事では、ヤマアラシのジレンマの意味、具体例、解決法について紹介します。

ヤマアラシのジレンマとは

ヤマアラシのジレンマとは、他人との距離を縮めたい一方で、距離が近づきすぎてお互いに傷つけ合いたくないというジレンマです。

他人との一体感を求める欲求と、適度な距離を保って自立していたいという欲求による葛藤と言い換えることもできます。

人は、誰でも家族、友人、知人、恋人などを求め、彼らとの関係性に悩みながら日常生活を送っています。

ヤマアラシのジレンマは、そうした人の葛藤をうまく捉えたもので、心理学の世界ではよく知られた言葉です。

ヤマアラシとは

ヤマアラシとは、ヤマアラシ科とアメリカヤマアラシ科に属する齧歯類で、身体の背面と側面のとげが特徴の動物です。

漢字では「山荒」や「豪猪」と表記します。

ヤマアラシのジレンマ?ハリネズミのジレンマ?

ヤマアラシのジレンマは、英語では「hedgehog’s dilemma」と表記します。

hedgehogとはハリネズミのことで、ヤマアラシとは別の動物です。

英語圏では、英語表記のとおりハリネズミのジレンマとして知られていますが、日本ではヤマアラシのジレンマと訳され、そのまま定着しています。

ヤマアラシのジレンマの由来

ヤマアラシのジレンマは、ドイツの哲学者であるアルトゥル・ショーペンハウアー(Arthur Schopenhauer)の寓話の寓話に由来します。

「ヤマアラシのジレンマ」の名付け親は、精神分析家のべラックとされています。

ショーペンハウアーの寓話の概要は、以下のとおりです。

冬の寒い日にヤマアラシたちが暖を求めて集まったが、近づくとお互いのトゲが刺さるため離れて過ごさざるをえなかった。

再び寒さの厳しくなると、ヤマアラシたちは再び集まったが、やはりトゲが刺さるので離れて過ごさないといけなかった。

同じことを繰り返すうちに、お互いに近づき過ぎずとげが刺さらない距離を保つことが一番良いことを発見した。

この寓話の後、以下の話が続きます。

ヤマアラシの例と同様、人間社会においても多くの人が集まるが、お互いのトゲ(性格や個性など)によって不快さを感じる。

お互いに許容範囲の距離を測ってその距離を維持することが社会のマナーであり、これを守ることで、お互いのトゲで傷つくことなく過ごすことができる。

社会のマナーに違反すると、適切な距離を守るよう厳しく指導される。

一方で、自分の内に暖かさを有する人間は、お互いのトゲで傷つくことなく過ごすため社会の外にいることを好む。

 ヤマアラシのジレンマの具体例

ヤマアラシのジレンマの具体例をいくつか見ていきましょう。

具体例1:本音を言いすぎる

AさんとBさんは同級生で、部活も一緒です。

幼稚園時代から10年来の親友ですが、Bさんははズケズケと意見を述べ過ぎるきらいがあります。

例えば、Aさんが「私の悪いところはどんなところかな?」と尋ねたのに対し、BさんはAさんが気にしていることをことごとくあげつらい、怒らせてしまうことがありました。

その後しばらく、AさんはBさんを避けていましたが、徐々に寂しくなって自分からBさんに仲直りを持ちかけました。

BさんもAさんと仲直りしたいと思っていたので、お互いに謝って仲直りしました。

しかし、しばらく経った後、BさんはAさんの交際相手をこき下ろしてAさんを怒らせてしまい、再び険悪な仲になってしまいました。

その後再び仲直りしましたが、やはりBさんが言いたいことを言ってこじらせました。

具体例2:本音を話せない

CさんとDさんは、学生時代から通算10年間も交際しているカップルです。

共通の趣味があり、お互いに話好きなこともあって話題が尽きることはありません。

ケンカらしいケンカをしたこともなく、お互いに一緒に過ごす時間が心地よいと感じています。

表面的には、理想的なカップルに見えており、仲が良いという点については本人たちもそう思っています。

しかし、仕事のしんどさ、家族のこと、対人関係の悩みなど込み入った話はほとんどすることがありません。

お互いに結婚を意識していますが、二人きりの時には結婚の「け」の字も出てきません。

「結婚したいと言ったら、居心地の良い今の関係が崩れるかもしれない。」、「下手に踏み込んだことを聞いて、何もできなければお互いに傷つく。」などと考えて、踏み込めずにいる状態が続いているのです。

適度な距離を探るまでが難しい

いずれの具体例も、私が担当したケースをアレンジしたものです。

具体例1の二人は、Bさんが自身の言いすぎるところに気づき、そのことをAさんに謝罪して適度な関係性を保てるようになりました。

まさにヤマアラシのジレンマを地で行き、適度な距離感を見つけ出した例です。

具体例2の二人は、お互いに「このままではいけない。」と思いつつ言い出せず、一度は交際を終了させました。

しかし、お互いに相手の大切さを痛感し、DさんがCさんに結婚したいと切り出し、Cさんがこれを受けたことで、めでたく結婚に至っています。

お互い相手のことを傷つけたくない、自分も傷つきたくないという欲求のために身動きが取れなくなるというヤマアラシのジレンマの変則的なケースですが、結婚という適度な距離を見つけることができています。

ヤマアラシのジレンマを解決するには

ヤマアラシのジレンマに陥ると、人間関係に悩み苦しみ、日常生活にも影響が出てしまうこともあります。

ヤマアラシのジレンマを解決するには、まず、自分の気持ちや考え方にじっくり目を向けることが大切です。

ヤマアラシのジレンマに陥る一番の原因は「思い込み」です。

「○○したら相手に嫌われるだろう。」、「△△すれば相手は喜ぶに違いない。」、「□□くらいやってくれて当然だ。」などと思い込み、思い込みに従って行動した結果、お互いに傷ついたり、距離をとりすぎてしまったりするのです。

そのため、自分の気持ちや考え方に偏りはないか、ごく一部の情報に影響されていないか、状況を客観的に見れているかなどを確認してみましょう。

自分一人で確認するのが難しければ、信頼できる友人や家族を話し相手にしても問題ありません。

また、自分の思い込みが招いた失敗談を思い出したり、自分にとって理想的な対人関係を築いている人を参考にしたりする方法も効果があります。

思い込みに気がついたら、それを修正するための方法を具体的な場面を想像しながら一つひとつ考え、実際に行動するようにします。

よほどのことがない限り、すぐ実践してすぐ効果が出るということはありません。

しかし、思い込みに気づくことで第一歩を踏み出し、行動に移すことで、少しずつ状況は変わっていくはずです。

まとめ

心理学の世界にはジレンマに関する研究がたくさんあり、ヤマアラシのジレンマもその一つです。

ヤマアラシのジレンマは、社会における人間関係、特に恋愛関係や友人関係などで起こるジレンマで、ジレンマが起こるとそちらに気をとられ、学業や仕事がおろそかになってしまうことも珍しくありません。

子どもがヤマアラシのジレンマに陥っていることに気がついたら、それとなく気を配り、相談に乗ってあげましょう。