知育ノート

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児童自立支援施設とは?少年院との違いは?入所理由と年齢、費用は?

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児童自立支援施設という施設を知っていますか?

最近は、少年事件などのニュースにその名称が登場することがあるので、名前くらいは聞いたことがある人も多いかもしれません。

乳児院、保育園、幼稚園、学校、児童養護施設など、子どもが通ったり入所したりする施設はたくさんあります。

児童自立支援施設は、何らかの事情により家庭での養育が困難な子どもが入所して共同生活を送る施設です。

では、具体的にどのような事情のある子どもが入所し、どのような生活を送っているのでしょうか。

また、少年院との違いはどのようなところなのでしょうか。

この記事では、児童自立支援施設の概要、入所理由、入所経路、費用、生活、少年院との違いについて紹介します。

児童自立支援施設とは

児童自立支援施設とは、①犯罪などの不良行為をした児童(子ども)、もしくは、②犯罪などの不良行為をするおそれのある児童(子ども)、③家庭環境等の事情により生活指導等を要する児童(子ども)が入所または通所させて、自立を支援する施設です。

以前は教護院という名称で、上記①及び②に該当する子どもが入所していました。

しかし、1998年の児童福祉法改正に伴って児童自立支援施設に改名されるとともに、上記③の子どもも入所対象となりました。

なお、児童自立支援施設に入所する子どもは、関連する法律によって「少年」や「児童」と呼ばれますが、区別すると読みにくいため、この記事では「子ども」に統一しています。

根拠条文と管轄

  • 根拠条文:児童福祉法(44条)
  • 管轄:厚生労働省

児童自立支援施設は、児童福祉法に定められた児童福祉施設の一つで、根拠条文は同法44条です。

児童福祉施設には、児童自立支援施設の他、乳児院、保育所、児童養護施設などがあります。

児童自立支援施設の数

厚生労働省の発表では、2011年3月時点における数は全国に58箇所で、1538人の子どもが入所しています。

そのうち国立と私立が2箇所ずつ、その他は県立もしくは市立です。

児童自立支援施設の入所年齢

児童自立支援施設に入所するのは、18歳未満の者(児童福祉法上の児童に該当する者)です。

実際に入所しているのは、不良行為などが見られる小学生以降の子どもが多くなっています。

児童自立支援施設の入所理由

児童自立支援施設の入所理由は、以下の3つです。

  • 犯罪などの不良行為をした
  • 犯罪などの不良行為をするおそれがある
  • 家庭環境等の事情により生活指導等を要する

犯罪などの不良行為をした

犯罪などの不良行為とは、窃盗、暴行、傷害、詐欺、暴走(道路交通法違反)など刑法に触れる行為の他、飲酒喫煙をはじめ子どもには認められていないもしくは不適切な行為も含まれています。

犯罪などの不良行為をするおそれがある

犯罪などの不良行為をするおそれがあるとは、素行不良者と夜な夜な遊び歩いて家庭によりつかない、不健全な場所に出入りするなど、放置すれば犯罪などに手を染める可能性が高い場合です。

家庭環境等の事情により生活指導等を要する

家庭環境等の事情により生活指導等を要するとは、親の虐待や育児放棄などにより、子どもが家庭で適切な養育や教育が受けられず、社会生活に必要なスキルが身についていない場合です。

家庭における養育が困難であっても、子ども自身の言動や態度に大きな問題がない場合は、児童養護施設などに入所することが多くなっています。

児童自立支援施設の入所経路

子どもが児童自立支援施設へ入所する経路は、大きく2つあります。

  • 都道府県知事(児童相談所長)の入所措置の決定
  • 家庭裁判所の決定

都道府県知事(児童相談所長)の入所措置の決定

児童相談所(地域によって名称が異なることがある)は、素行などに問題のある子どもについて、保護者から相談を受けたり、学校や警察などから通告があったりした場合に、その子どもへの措置を検討することになります。

そして、児童自立支援施設への入所が相当と判断した場合には、入所措置の決定をして、子どもを施設へ入所させます。

児童自立支援施設に入所中の子どもの多くは、この決定によって入所しています。

家庭裁判所の決定

家庭裁判所は、犯罪などをした子どもについて、その子どもの更生に資するための処分を決定しますが、その中で、児童自立支援施設送致の決定をすることがあります。

なお、家庭裁判所の処分には、以下の種類があります。

  • 検察官送致:少年法の枠組みを離れ、大人と同じ手続きを受けさせる
  • 少年院送致:家庭から引き離して少年院に収容し、矯正教育を受けさせる
  • 児童自立支援施設送致:児童自立支援施設で、自立に必要なスキルなどを養わせる
  • 児童相談所長送致:児童相談所に子どもの助言指導を行わせる
  • 保護観察:家庭内に戻すものの、保護観察所が子どもの素行を観察し手助言指導を与える
  • 不処分:審判の場で、裁判官による指導を行う
  • 審判不開始:処分を決める審判を開かずに終了する

児童自立支援施設の費用

世帯収入に応じた費用がかかります。

世帯収入が低い場合は、費用が免除されることもあります。

児童自立支援施設における生活

児童自立支援施設には、児童自立支援専門員、児童生活支援員、嘱託委などの専門家が配置されており、彼らが連携して、子どもが心身ともに健やかに成長し、社会で自立した生活を送るために必要な能力を身につけられるよう、子ども一人ひとりの性格や適性、家庭環境などに応じた指導計画を立てます。

その上で、子どもの自主性を尊重しつつ、生活指導、学習指導、職業指導、家庭環境の調整などを行います。

子どもは、一つの建物において職員(夫婦とその家族)と他の入所者と一緒に生活し、家庭的な雰囲気の中で、自立に必要な助言指導を受けることになります。

児童自立支援施設のアフターケア

2004年に児童福祉法が改正されたことに伴い、施設を退所した子どものアフターケアを行うことができるようになっています。

退所後の子どもの生活状況や家族との関係を確認し、適宜、助言指導や調整活動を行います。

児童自立支援施設と少年院の違い

少年院とは、非行少年(犯罪少年、触法少年、ぐ犯少年)のうち、家庭裁判所が矯正教育が相当として少年院送致の決定をした少年を収容する施設です。

2015年6月に施工された改正少年院法では、少年院は以下の4種類に分類されています。

  • 第一種少年院(旧初等少年院と旧中等少年院):心身に障害のない、おおむね12歳~23歳未満の者を収容する
  • 第二種少年院(旧特別少年院):心身に障害はないが犯罪傾向の進んだ、おおむね16歳から23歳未満の者を収容する
  • 第三種少年院(旧医療少年院):心身に著しい障害のある、おおむね12歳~26歳未満の者を収容する
  • 第四種少年院:刑の執行を少年院で受ける者を収容する

児童自立支援施設と少年院の違いは、以下の2点です。

  • 入所経路
  • 開放施設か収容施設か

児童自立支援施設と少年院の違い1:入所経路

非行少年(犯罪をした子どもなど)が少年院に入所するのは、家庭裁判所が少年院送致決定をした場合のみです。

一方の児童自立支援施設は、家庭裁判所の決定の他、児童福祉機関が児童福祉法上の措置として子どもを入所させることがあります。

児童自立支援施設と少年院の違い2:開放施設か収容施設か

少年院は収容施設であり、収容された子どもが施設内外を自由に出入りしたり、施設内で自由に行動したりすることはできません。

一方の児童自立支援施設は開放施設です。

施設内のルールによって一定の制限は定められていますが、基本的には解放された施設であり、施錠された部屋に入れられることもなければ、家庭へ一時帰宅することもできます。

児童自立支援施設に入所した子どもは、少年院に入所中の子どもに比べて、施設を脱走することが多くなっていますが、これも開放施設だからこそです。

まとめ

児童自立支援施設は、不良行為をしたりするおそれがあったりする子どもや、家庭環境等の事情で生活指導等が必要な子どもを預かり、必要な助言指導を行う施設です。

入所経路には児童福祉法上の措置と少年法上の決定があり、施設内で子ども一人ひとりの性格や特性に応じたきめ細やかな関わりが実践されています。

少年院と混同されやすい施設ですが、入所経路や開放施設かどうかに違いがあり、少年院よりも子どもの自主性を尊重した関わりがなされているという特徴があります。