知育ノート

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基本的信頼感とは?赤ちゃん(乳児期)に育む必要がある?欠如すると?

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基本的信頼感を知っていますか?

基本的信頼感は、子供が楽しく充実した社会生活を送るための土台となるもので、また、乳児期の赤ちゃんのうちに育まれる必要のあるものです。

この記事では、基本的信頼感の概要、育まれる時期、子供に与える影響、育む方法について紹介します。

基本的信頼感とは

基本的信頼感とは、自分が他人から愛されていて、大切にされているという感覚のことです。

「根拠のない自信」や「理由のない自己肯定感」と呼ばれることもあります。

赤ちゃんは、パパママから気持ちを受け入れてもらい、たくさん愛情を注いでもらうことで、パパママとの間に強い情緒的な絆を築き、安心感や受容感を得る中で基本的信頼感を育んでいきます。

基本的信頼感とエリクソンの心理社会的発達理論

「基本的信頼感」という言葉、最近はネットやテレビで見聞きするようになりましたが、もともとは発達心理学者のエリクソン(エリク・H・エリクソン)が提唱した概念です。

エリクソンは、「人は、年齢を基準とする時期に応じて生涯を通して発達する。」と考え、「人が生まれてから老いるまで」の発達を包括的に捉える生涯発達という視点から、ライフサイクル理論を提唱しました。

ライフサイクル理論では、人の一生が8つの発達段階に分類され、それぞれの発達段階にはプラスの力(発達課題)とネガティブな力(危機)が拮抗していて、両者の関係が人の発達に影響すると説明されます。

また、プラスの力がマイナスの力を上回ることで、社会に適応した発達を遂げてより良く生きるための力が獲得されるとしています。

ただし、マイナスの力がプラスの力を上回ったからといって社会に適応できないわけでも、一時だけプラスの力が強くなれば良いわけでもなく、長い人生の中で両者のバランスをうまく保ち、各段階においてプラスの力がマイナスの力を上回るような経験を積むことが大切だと説明しています。

そして、乳児期における発達課題と危機として、基本的信頼感と不信感を設定しています。

エリクソンのライフサイクル理論については、関連記事で詳しく紹介していますので、興味のある人は読んでみてください。

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基本的信頼感とボウルビィの愛着理論

基本的信頼感は、心理学者ジョン・ボウルビィが愛着理論にも登場します。

愛着理論とは、人が他人との親密さを表現しようとする行動(愛着行動)に関する理論です。

愛着理論では、乳児期の赤ちゃんは、ママとの愛着(アタッチメント)が十分に築かれることが基本的信頼感の獲得に重要だと説明しています。

そして、ママが赤ちゃんの要求に対して適切に応えることで、赤ちゃんが「要求すれば、ママが応えてくれて、何でも解決してくれる(良い方向に変わる)。」という安心感や安全感(基本的信頼感)を得るとしています。

 

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基本的信頼感が育まれる時期

基本的信頼感は、乳児期(生後0歳0ヶ月~生後1歳頃)までに最も育まれるというのが一般的な考え方です。

幼児期以降については、基本的信頼感を前提として、赤ちゃんの主体的な行動や態度を温かく見守り、必要に応じてしつけを行うことになります。

ただし、生後1歳以降も基本的信頼感が育まれるという意見もあり、すべての研究者が同じ意見を持っているわけではありません。

現在は、生後3歳頃までがタイムリミットだという考え方が主流になっています。

基本的信頼感が子供に与える影響

基本的信頼感が育まれた子供は、パパママ以外の他人からも愛されて大切にされている感覚(自己肯定感)を自然に持つことができ、気持ちに余裕があって情緒的にも安定します。

そのため、良好な人間関係を築き、何事にも前向きにチャレンジし、困難に直面しても乗り切ろうとするなど、社会の中で前向きに活躍する意欲や力を身につけていきます。

一方で、基本的信頼感を育むことができなかった子供は、パパママに不信感を抱いており、他人との関係でも、見捨てられるのではないか、裏切られるのではないかという不安や不信感を常に抱えています。

そのため、自分に自信が持てず被害的な受け止めをしやすい、失敗を恐れて何事にも消極的になる、他人を信頼できず情緒的な人間関係が築きにくいといった傾向があります。

また、しつけに対して怖さや否定されたという思いばかりを強めがちで、しつけの内容が浸透しにくいと言われています。

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基本的信頼感を育む方法

基本的信頼感を育む一番の方法は、日々の子育てにおいて、赤ちゃんの要求や欲求にできるだけ応じてあげることです。

例えば、おなかが空いたら母乳やミルクをあげる、おむつが汚れたら交換する、ジッと見つめてきたら笑顔で見つめ返す、ぐずったら抱っこするなど、赤ちゃんが望むことを望むようにしてあげましょう。

意識しておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 赤ちゃんの望むことを望むようにお世話をする
  • たくさんスキンシップをとる
  • たくさん声をかける
  • たくさん笑顔を見せる

赤ちゃんは、ママが希望どおりお世話してくれることで、「困ったことがあっても、泣いたりぐずったりすれば、ママが何とかしてくれる。」、「ママに大切にされている。」という安心感や安全感を得ることができます。

また、ママの笑顔や声かけ、スキンシップといったポジティブなノンバーバルコミュニケーション(非言語的コミュニケーション)も、赤ちゃんを安心させる効果があります。

忙しくて一緒にいられない時も、赤ちゃんの見える範囲にいて笑顔を見せたり、「ちょっと待ってね。」、「ママはここにいるよ。」と声をかけたりしてあげましょう。

基本的信頼感が育まれない原因となりうること

一方で、ママが自分の都合を優先して赤ちゃんの言動を無視したり、ぞんざいな対応をしたりすると、赤ちゃんは「大切にされていない。ダメな子なんだ。」、「見捨てられているんだ。」と自信を失い、パパママへの不信感を募らせていきます。

また、夫婦喧嘩や離婚など不安定な家庭で乳児期を過ごすと、基本的信頼感が育まれにくいという指摘があります。

なお、この記事では、基本的信頼感の形成には母子関係が重要という考えに基づいて「ママ」と赤ちゃんの関係で説明しています。

しかし、厳密に言うと、「ママ」ではなく、「赤ちゃんのお世話を中心になって行っている養育者」となります。

例えば、ママが不在の家庭や、ママが仕事をしてパパが育児に専念している家庭、おじいちゃんおばあちゃんがママの代わりに赤ちゃんを養育している家庭などの場合は、ママ以外の人が赤ちゃんの基本的信頼感の形成に大きな役割を担うことになります。

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まとめ

基本的信頼感の概要と、基本的信頼感を育む方法、育まれない原因となることについて紹介しました。

基本的信頼感は、エリクソンのライフサイクル理論やボウルビィの愛着理論など、心理学の有名な学者が提唱した理論に登場する単語で、人の発達(特に乳児期における)関する研究の中でよく登場します。

赤ちゃんが基本的信頼感を十分に育むことができるかどうかは、赤ちゃんのお世話を中心となって行っている養育者が、どれだけ赤ちゃんに愛情を注いだかにかかっています。

もちろん、24時間、赤ちゃんの要求に応えることは言葉にできないくらい大変ですし、大きなストレスになるものなので、しっかりと家族や親族に頼りながら対応しましょう。