知育ノート

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マズローの欲求段階説(欲求5段階説)とは?自己実現との関係は?

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人間の欲求に関する研究は、昔からたくさんありますが、とくに有名なのが「マズローの欲求5段階説(自己実現理論)」です。

欲求の段階を示すピラミッド構造は有名なので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。

マズローの欲求5段階説は、科学的な根拠がない、環境要因を無視している、価値観にバイアスがかかっているといった批判が常にあり、近年では、「心理学の世界ではまじめに取り上げられない。」とまでこき下ろされました。

しかし、その考え方は、人の欲求を考える上でとても分かりやすいもので、子供の発達を考える上での視点の一つにはなるものです。

この記事では、マズローの欲求段階説について紹介します。

マズローの欲求5段階説とは

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マズローの欲求5段階説とは、人間の欲求を5つの段階で理論化したものです。

マズローの欲求5段階説は、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した自己実現理論です。

この理論では、「人は自己実現に向けて常に成長する生き物」という仮定に基づいて、人の欲求には段階があり、低い段階の欲求が満たされると、より高い段階の欲求を欲するようになると考えます。

欲求は、低い段階から順番に、次のように定められています。

  1. 生理的欲求
  2. 安全欲求
  3. 社会的欲求
  4. 承認欲求
  5. 自己実現欲求

それでは、各段階について詳しく見ていきましょう。

マズローの欲求5段階説:生理的欲求

生理的欲求とは、食べる、寝る、排泄するなど、人が生きていくための基本的・本能的な欲求です。

日本の場合、ネグレクト(児童虐待)を受けているなど特別な場合を除いて、生理的欲求は自然に満たされており、欲求として意識していないことも少なくありません。

生理的欲求が一定程度満たされると、安全欲求を求めるようになります。

マズローの欲求5段階説:安全欲求

安全欲求とは、安全で安心な生活を送りたい、高い水準の暮らしがしたい、ずっと健康なままで過ごしたい、危険なことから距離を置きたいという欲求です。

安全欲求を求める言動は、幼児期の子供によく見られるものです。

乳児期の頃は、安全欲求をはっきりと認識していないため反応が薄く、学童期以降は、安全欲求をはっきり表現することを控えるよう教育を受けるためです。

また、健康に大きな問題がなく、仕事をして金銭的に大きな不自由なく生活している人は、安全欲求を求めて行動することはまれです。

マズローの欲求5段階説:社会的欲求

社会的欲求とは、社会的集団に所属したい、周囲から必要とされたい、社会内での役割を与えられたい、他者に受け入れられたいという感覚のことです。

社会的欲求が十分に満たされないと、社会的な不安や孤独を強く感じて心身の不調をきたすリスクが高まり、鬱などの病気を発症することもあります。

社会的欲求が十分に満たされていない子供は、不登校や登校拒否、いじめや授業妨害など学校不適応を起こしやすいという指摘もされています。

マズローの欲求5段階説:承認欲求

承認欲求とは、所属する社会・集団から認められたい、尊重されたいという欲求です。

生理的欲求、安全欲求、社会的欲求はすべて外から与えられることで満たされるものですが、承認欲求は自分自身の気持ちを満たしたいという欲求です。

承認欲求は、人より高い地位や名声、利権を得たり、その人が求める形で世間の注目を浴びたりして、自己評価や自己信頼感が高まることで満たされていきます。

承認欲求がうまく満たされないままだと、強い劣等感や無力感を抱き、社会からドロップアウトしたり、無気力状態に陥ったりするリスクが高まります。

マズローの欲求5段階説:自己実現欲求

自己実現欲求とは、自分が持っている能力や技術を存分に発揮し、理想の自分になりたいという欲求です。

生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求が満たされていても、自己実現欲求が満たされていない場合、何をしても欲求不満が解消されず、十分な幸福感が得られません。

自己実現者と自己超越者

自己実現者とは、5つの欲求全てを満たした人のことです。

自己実現者は、自発性や自律性を持ち、物事を柔軟に認識し、創造性にあふれた人物だと考えられています。

また、自己超越者とは、自己実現者のさらに上の状態に達した人のことです。

自己超越者は、知識や認知などあらゆるレベルで高いポテンシャルを発揮し、自分のためだけでなく他人や社会のために貢献できる人だと考えられています。

まとめ

マズローの欲求5段階説について紹介しました。

冒頭に紹介した通り、現在のエビデンスを重視する心理学の世界においては、ほとんど注目されることのなくなった理論です。

確かに、自己実現者や自己超越者の辺りは、心理学の専門家でなくても「なんだか怪しいな。」と思うこともありますし、理論を詳しく見ていくと、根拠に乏しい内容が多いものです。

しかし、人の欲求の在り方についての視点は提供してくれるので、知識として持っておくことは決して無駄ではないはずです。

また、スクールカウンセラーや児童相談所の心理職などは、マズローの欲求5段階説に基づいた説明をする人もまだまだ多いので、学校生活に課題のある子供のパパママは、専門家とのコミュニケーションで役立つこともあるでしょう。