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知育ノート

赤ちゃん、幼児、子供の力を伸ばす知育、知育玩具、関わり方やそれらに関する知識を紹介しています。

起立性調節障害の診断と治し方は?新起立試験の方法とは?

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起立性調節障害は、小学校高学年から思春期にかけての子どもが発症しやすい病気の一つです。

「朝起きられない」、「夜には元気になってなかなか寝付けない」といった症状があり、周囲からは怠けているだけだと思われがちですが、子どもにとってはとてもしんどい病気です。

また、周囲の理解を得られないことで精神的なストレスを感じて症状を悪化させることも珍しくありません。

前回の記事では、起立性調節障害の原因と主な症状について紹介しました。

この記事では、起立性調節障害の検査、診断、治療法(治し方)について紹介します。

起立性調節障害の検査と診断

子どもに起立性調節障害を疑うような症状が見られた場合は、まず小児科を受診させます。

子どもが中学生以上の場合、大人と同じ内科を受診させる家庭もありますが、高校生くらいまでの子どもの病気については、内科医よりも小児科医の方が詳しいことが多いので、小児科を受診させることをおすすめします。

また、医師としては、具体的な症状を確認した方が適切な診断や治療方針をしやすいので、できるだけ症状が出やすい午前中に受診するようにしましょう。

立ちくらみや湿疹発作などの症状がある場合は、親が付き添ってあげてください。

受診後の大まかな流れは、次のとおりです。

  • 問診
  • 検査
  • 親起立試験
  • 起立性調節障害の種類(サブタイプ)を特定する
  • 重症度を調べる
  • 心の問題を調べる

問診

起立性調節障害の症状について、できるだけ具体的に説明します。

発症時期、主な症状と程度、日常生活への支障など、医師の質問に沿って答得ることになります。

子ども本人が十分に自覚していない症状もあるので、必要に応じて親が補足してあげます。

検査

起立性調節障害の症状は、他の病気の症状と同じものがたくさんあるため、各種検査によって他の病気の可能性を一つずつ確認します。

  • 血液検査:血液の病気、ホルモンの分泌異常、腎臓や内臓の機能異常など
  • 心電図、脳CT、脳MRI、検便、検尿:心臓の異常、脳の異常など
  • X線検査:心臓や肺の病気、内臓の異常、骨の異常など

各種検査は、すべて実施するのではなく、子どもが訴えた症状に応じて医師が選択します。

検査結果から他の病気の可能性がない場合は、新起立試験を行うことになります。

新起立試験

新起立試験とは、起立性調節障害の有無や種類を調べるために行う検査です。

検査方法は、次のとおりです。

  1. 診察台の上にあおむけ(背臥位)に寝る
  2. 血圧計、心電図、聴診器を身体に取り付ける
  3. 2.の状態で10分間安静にして待機する
  4. 10分経過後、脈拍測定、血圧測定(収縮期と拡張期に各3回)、血流音の確認を行う
  5. 医師の合図で身体を起こして立ち上がる
  6. 立ち上がった時から血圧が回復するまでの時間を測定する
  7. 1分、3分、5分、7分、10分ごとに血圧と脈拍を測定する

起立性調節障害の種類(サブタイプ)を特定する

起立性調節障害は、次の4種類(サブタイプ)に分類されます。

  • 起立直後性低血圧
  • 遷延性起立性低血圧
  • 体位性頻脈症候群
  • 神経失調性失神

新起立試験の結果に基づいて、起立性調節障害の種類を特定します。

起立性調節障害の種類1:起立直後性低血圧

新起立試験において、立ち上がってから血圧が回復するまでの時間が25秒以上の場合は、起立直後性低血圧と診断されます。

起立性調節障害の種類2:遷延性起立性低血圧

①起立直後性低血圧ではなく(新起立試験において、立ち上がってから血圧が回復するまでの時間が25秒以下)、②立ち上がってから3~10分の収縮期の血圧が15%もしくは20mmHg以上低下した場合は、遷延性起立性低血圧と診断されます。

起立性調節障害の種類3:体位性頻脈症候群

①起立直後性低血圧ではなく、②遷延性起立性低血圧でもなく(立ち上がってから3~10分の収縮期の血圧が15%もしくは20mmHg以上低下していない)、③立ち上がった時の心拍数が115以上もしくは心拍数が35以上増加した場合は、体位性頻脈症候群と診断されます。

起立性調節障害の種類④:神経調節性失神

①起立直後性低血圧ではなく、②遷延性起立性低血圧でもなく、③体位性頻脈症候群でもなく(立ち上がった時の心拍数が115以上もしくは心拍数が35以上増加しない)、④立っている時に突然血圧と意識レベルが低下した場合は、神経調節性失神と診断されます。

なお、いずれにも当てはまらない場合、その場では診断されません。

しかし、起立性調節障害の症状は時間帯、気温、季節などの影響を受けやすいため、日を置いて再検査を受けることになります。

重症度を調べる

起立性調節障害の種類(サブタイプ)が特定されたら、重症度を調べます。

なお、遷延性起立性低血圧の重症度を判定する公的な基準は、現時点では確立されていません。

また、起立性調節障害によって日常生活に支障が生じている程度についても、重症度を調べます。

起立直後性低血圧の重症度

立ち上がってから3~10分の収縮期の血圧が15%以上もしくは20mmHg以上低下する場合は重症と判定されます。

それ以外は軽症もしくは中等症と判定されます。

体位性頻脈症候群の重症度

立ち上がった時の心拍数が115以上もしくは心拍数の増加が35以上の場合は、軽症もしくは中等症と判定されます。

一方で、立ち上がった時の心拍数が125以上もしくは心拍数の増加が45以上の場合は、重症と判定されます。

神経調節性失神の重症度

起立直後性低血圧や体位性頻脈症候群がない場合は、軽症もしくは中等症と判定されます。

一方で、起立直後性低血圧や体位性頻脈症候群がある場合は、重症と判定されます。

日常生活における支障の程度(重症度)

遅刻や欠席、授業中の居眠りや集中力の低下、成績不振、不登校など日常生活や学校生活に支障をきたしている場合は、重症です。

遅刻や欠席が週に1,2回程度であれば中等症、症状はあるものの影響がほとんどない場合は軽症と判定されます。

心の問題を調べる

起立性調節障害は、心理的ストレスや社会的ストレスの影響を受けやすい病気です。

例えば、学校を欠席すると症状が改善する、症状が日や時間帯によって変化する、悩みや心配について指摘されると症状が悪化するといった場合は、ストレスの影響を受けていると考えられます。

起立性調節障害の治し方(治療)

起立性調節障害の主な治療法は、次のとおりです。

  • 説明と説得
  • 子どもを取り巻く環境(家族、学校、友達)への助言指導や連携
  • 生活態度に関する指導
  • 薬物療法
  • 心理療法

治療法については、身体症状の程度とストレスの有無に応じて医師が慎重に選択します。

例えば、身体症状が重くて心理的・社会的ストレスも影響している場合は心理療法、身体症状が軽くてストレスの影響が見られない場合は説明による治療が行われます。

それぞれの治療法について、具体的に見ていきましょう。

起立性調節障害の治し方1:説明と説得

起立性調節障害は、子どもの「怠け」ではなく、自律神経のバランスが崩れることが原因で起こっていることを子ども本人、家族、学校関係者などに説明し、理解させる治療法です。

子どもは、体調不良の原因を知って安心して治療に臨めますし、周囲の誤解が解けて心理的・社会的ストレスも軽減していきます。

起立性調節障害の治し方2:子どもを取り巻く環境への助言指導や連携

家族や学校関係者などに起立性調節障害の基礎知識を与えるとともに、子供との関わり方や支援の仕方について助言指導を行います。

また、必要に応じて学校などと連携し、医師と教師が連携して子どものサポートを行うこともあります。

起立性調節障害の治し方3:生活態度に関する指導

起立性調節障害の症状は、ちょっとした工夫をすることで楽になることがあります。

例えば、30秒~1分くらいかけてゆっくり身体を起こすことで立ちくらみやめまいを予防する、水分や塩分を少し多めに摂取して血圧の低下を予防するといった方法を教えてもらいます。

また、寝る時間と起きる時間を一定にする、寝る時は電気を消して起きたら電気をつけてカーテンを開けるなど、生活リズムを整えるための指導も受けます。

起立性調節障害の治し方4:薬物療法

医師の指示に従って、症状に応じた薬を飲んで治療する方法です。

軽症や中等症の場合は、まず薬物療法以外の治療法を試してみて効果が出ない場合に薬物療法を始めます。

起立性調節障害の薬物療法は、基本的に子ども自身が薬を飲む時間や回数を管理し、効果の有無や程度を医師に報告します。

こうすることで、子どもが主体的に治療に取り組むことができるようになります。

起立性調節障害の治し方5:心理療法

起立性調節障害の治し方1~4を1ヶ月以上実践しても効果が出ない場合、心理療法による治療を検討します。

心理療法による治療を受ける場合は、小児科ではなく専門の機関を受診することになります。

まとめ

起立性調節障害の診断と治し方(治療)について紹介しました。

起立性調節障害は、小学校高学年から思春期の子どもを中心に、誰でも発症する可能性がある病気です。

朝起きられないといった症状により、子どもが怠けているという誤解を受けやすいものですが、病気によって一番悩んでいるのは子ども自身です。

親としては、子どもの症状を慎重に観察し、子どもから辛さやしんどさをしっかり聞き取って、小児科を受診させて必要な治療を受けさせてあげることが大切です。

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