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知育ノート

赤ちゃん、幼児、子供の力を伸ばす知育、知育玩具、関わり方やそれらに関する知識を紹介しています。

フロイトの心理性的発達理論に見る子供の発達段階

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子供の発達段階に関する数ある研究の中で異彩を放っているのが、心理性的発達理論です。

心理性的発達理論は、オーストリアの精神分析学者ジークムント・フロイトが提唱した発達に関する理論です。

心理学の基本書には必ず登場するくらい基本的な理論の一つですが、その内容ゆえに常に議論の的になってきた歴史があります。

この記事では、フロイトの心理性的発達理論における子供の発達段階について、紹介します。

フロイトの心理性的発達理論とは

フロイトの心理性的発達理論とは、リビドー(性的な欲動)の発達に基づいて子供の発達をとらえた理論です。

心理性的発達理論では、リビドーは乳幼児期から存在(幼児性欲)するもので、思春期以降の性欲は、生後5~6歳頃に抑圧された幼児性欲の再現だと考えます。

また、ある時期に身体の特定の部位の感覚が敏感になることから、リビドーには発達段階があると考え、ある時期に敏感になる身体の部位に基づいて口唇期、肛門器、エディプス器、潜伏期、性器期という発達段階を提唱しています。

そして、各段階が十分に満たされると健康な人格が形成される一方で、不十分なままだと、その段階に固着が起こり、心理性的にその段階にとどまるとしています。

例えば、口唇期に固着したまま大人になった人は、食事、喫煙、飲酒など口唇の刺激を求め続け、乳児期のように他人に過剰な依存をしようとすることがあると考えます。

心理性的発達理論では、潜伏期に入る生後5~6歳頃までの経験によって、おおまかな人格が決定されると説明されています。

フロイトの心理性的発達理論の発達段階:口唇期

口唇期とは、生後0歳0ヶ月から生後1歳(生後1歳6ヶ月頃と考える人もいる。)までの、口やくちびる(口唇)周辺にリビドーを得る時期です。

口唇期の赤ちゃんは、主に口を通して外の世界と交流しています。

例えば、ママから母乳やミルクをもらって吸って飲みますし、離乳食を食べたり、気になる物を口に入れて確かめたりすることで、口唇を刺激して快感を感じています。

赤ちゃんは、パパママに依存しきっているため、口唇への刺激を繰り返すことで基本的信頼感や安心感を得るようになります。

口唇期の後半では離乳に直面し、パパママへの依存度合いを減らしていく必要に迫られます。

口唇期に固着した人の特徴

  • 食事(過食)、喫煙、飲酒など、口唇の刺激を求める
  • 爪を噛むクセがある
  • 性格は、赤ちゃんのように他人に依存的で、何事に対しても受け身(指示待ち)
  • 幼児的な攻撃性を他人に向けることがある

フロイトの心理性的発達理論の発達段階:肛門器

肛門期とは、生後1歳(1歳6ヶ月頃と考える人もいる)から生後3歳までの、おしりの穴(肛門)に快感を得る時期です。

肛門器の子供は、敏感になってくる胃腸や膀胱をコントロールすることに向きあうことになります。

具体的には、トイレットトレーニングを繰り返すことで、自分の身体の欲求を意思の力でコントロールすることを学習し、達成感を得るとともに、環境に対する能動的な姿勢が芽生えていきます。

パパママが、適切なタイミングでトイレットトレーニングを行い、自分の意思で行動して成功した子供をたくさん褒めてあげることで、子供は自信や有能感を持つことができて、自己有用感が高まり、創造的で生産的な性格行動傾向を身につけていきます。

一方で、パパママの不適切な対応は、子供の人格形成に暗い影を落とします。

肛門期に固着した人の特徴

  • 子供がトイレに失敗しても無条件で許容した場合:浪費的かつ破壊的になる(肛門排出性人格)
  • 子供の失敗を頭ごなしに叱責した場合や、トレーニングを早く始めすぎて子供が失敗を繰り返した場合:几帳面で頑固、秩序に執着する性格になる(肛門保持性人格)

フロイトの心理性的発達理論の発達段階:エディプス器

エディプス期とは、生後4歳から生後6歳頃の、性器に関心が向く時期で、男根期とも呼ばれています。

エディプスとは、ギリシャの悲劇の一つ「エディプス王(オイディプス王)」(王子が王である父を手にかけて母親と結婚する物語)の主人公であるエディプスに由来します。

エディプス期の子供は、男性と女性の違いを理解し、異性の親のことを同性の親の愛情を横取りする相手だと感じるようになります。

例えば、男の子の場合は、お父さんを、お母さんの愛情を取り合う相手と認識して憎むようになりますが(エディプスコンプレックス)、そうした感情を抱くことをお父さんに罰せられて去勢される不安も感じます(虚勢不安)。

女の子の場合は、お母さんを、お父さんの愛情を取り合う相手として認識して憎むようになり(エレクトラコンプレックス)、男性器への怒りや羨望を無意識に抱く(ペニス羨望)と考えられています。

やがて、子供は、異性の親の愛情を勝ち取る方法として、異性の親が愛する同性の親のようになろうと努力するようになり(性的役割の獲得)、性衝動を抑圧して社会のルールや知識の獲得などに力を注ぐようになります。

エディプス期に固着した人の特徴

  • 異性の親への歪んだ愛情と、同性の親への根拠のない憎しみを抱えたままになる
  • 男性性や女性性が十分に獲得できないままになる

フロイトの心理性的発達理論の発達段階:潜伏期

潜伏期とは、生後6歳から思春期までの、リビドーがいったん治まっている時期のことです。

潜伏期の子供は、社会のルールや知識の獲得、友人関係の構築、興味関心のあることへの取り組みなどに力を注ぎ、社会的スキルやコミュニケーション能力を獲得、向上させていきます。

フロイトの心理性的発達理論の発達段階:性器期

性器期とは、思春期以降に訪れる、それまでの部分的な欲動が性器愛を中心とする性欲に統合される時期です。

性器期の子供は、自分の欲求にばかり目が向いていましたが、異性に対する性的関心を持つようになり、他人の幸せにも関心を持つようになっていきます。

口唇期、肛門期、エディプス器、潜伏期で大きな固着がなければ、人間味にあふれ、社会にうまく適応できる人になっていくことができます。

まとめ

フロイトの心理性的発達理論について紹介しました。

読んでみて、違和感を感じた人もいるでしょう。

実際、男性の性的発達が中心になっている、リビドーが計測できず科学的な証明が難しい、子供の頃の経験が現在の行動の原因になっているという証明が難しい、フロイト自身が発表した実験結果の中に心理性的発達理論に矛盾するものがあるなど、発表された当初から議論が絶えない理論であることは確かです。

しかし、心理性的発達理論を踏襲もしくは否定することで新たな発達理論が次々に登場したことを考えると、この理論が果たした功績は大きいと言えるでしょう。