トイレトレーニングは、オムツを履いていた子どもが、トイレで排泄できるようになるためのトレーニングです。
トイレで排泄することは、大人にとっては当たり前のことですが、子どもにとってはなかなか大変なことで、長い期間をかけてトレーニングする必要があります。
中にはトイレトレーニングを嫌がる子どももいて、パパママが思うようにトレーニングが進まないこともあります。
しかし、事情をよく聞いてみると、たいていは子どもではなくパパママ側に原因があり、また、少しトレーニングの方法を変えるだけで改善されることが多いものです。
この記事では、トイレトレーニングが進まない、子どもが嫌がる原因と対応について紹介します。
トイレトレーニングが進まない、子どもが嫌がる原因
トイレトレーニングが進まない、子どもが嫌がる主な原因は、以下のとおりです。
- 尿意や便意に気づかない
- 膀胱が小さく、尿意を感じてからトイレへ行くまでおしっこを我慢できない
- 「おしっこ」、「うんち」、「トイレ」などの意味を理解していない
- トイレに行くのが面倒くさい
- トイレが楽しくない
- パパママの言うことを聞くのが嫌
- 遊びに夢中になっていて尿意や便意に気づかない
- 尿意や便意に気づいているけれど、遊びを中断したくない
- 失敗すると怒られると思っている
これらの原因は、トレーニングの時期の問題と、トレーニングのやり方の問題に分けることができます。
トレーニングの時期の問題
トイレトレーニングを始めるには、子どもがトイレに関する単語やパパママの指示の意味を理解するとともに、トイレで用を足せるだけの排尿・排便機能が成熟している必要があります。
一般的に、トイレに関する単語が理解できるようになるのが生後1歳以降、パパママの指示の意味を理解できるようになるのが生後1歳6ヶ月頃です。
また、排尿・排便機能(尿意や便意を感じる、おしっこやうんちを我慢するなど)が成熟するのが生後1歳6ヶ月~2歳頃です。
(※あくまで一般的な時期です。個人差が大きいため、子ども一人ひとりの様子を慎重に観察して判断する必要があります。)
つまり、これらの時期より早くトイレットトレーニングを始めても、子どもは言葉や指示の意味を理解できず、トイレで用を足すだけの機能も備わっていないため、当然にトレーニングはうまくいきません。
上に挙げた原因のうち、「尿意や便意に気づかない」、「膀胱が小さく、尿意を感じてからトイレまでおしっこを我慢できない」、「おしっこなどの言葉の意味を理解していない」は、トレーニングを始めるのが早すぎるため、トレーニングが進まないのです。
トレーニングの時期が原因の場合、子どもがトレーニングできる状態になるまで中断することになります。
無理にトレーニングを続けてしまうと、子どもは、失敗体験を積み重ねて挫折感や無力感を味わって自尊心を低下させますし、トイレへ行くことを嫌がるようになることもあります。
また、パパママも「どうして失敗ばかりするのだろう。」などとイライラやストレスを抱えることになります。
トレーニングのやり方の問題
上に挙げた原因のうち、「トイレに行くのが面倒くさい」、「トイレが楽しくない」、「パパママの言うことを聞くのが嫌」、「遊びに夢中になっていて尿意や便意に気づかない」、「尿意や便意に気づいているけれど、遊びを中断したくない」、「失敗すると怒られると思っている」については、トレーニングのやり方の問題です。
パパママがトレーニングのやり方を変えることで、劇的に改善されることはなくても、少しずつでもトレーニングが進むようになるはずです。
トイレトレーニングが進まない、子どもが嫌がる時の対応
トイレトレーニングが進まない、子どもが嫌がる時の主な対応は、以下のとおりです。
- トイレを楽しい空間にする
- 自分でトイレに行くよう促す
- 一日のサイクルの各場面でトイレを促す
- 褒める、叱らない
トイレを楽しい空間にする
子どもがトイレに行くのを嫌がる場合、トイレに行くのが面倒くさい、トイレが楽しくないと感じている可能性があります。
幼児期の子どもは、何事も「快か不快か」、「楽しいか楽しくないか」などで判断します。
そのため、トイレが殺風景で、用を足す以外何の楽しみもない場所だと、行きたがらなくなります。
子どものトイレ嫌いを解消するには、トイレのリフォームが効果を発揮します。
好きなおもちゃを置き、壁にシールやポスターを貼り、楽しい音楽を流すなど、子どもが楽しく過ごせる空間を演出してあげましょう。
自分でトイレに行くよう促す
トイレトレーニングを始める頃の子どもは、いわゆる「イヤイヤ期」や「魔の2歳児」と呼ばれるように、親の言うことは何でも「イヤ」と言って従わず、自分の思い通りにやろうとします。
親がトイレで用を足すよう勧めても、なかなか言うことを聞いてくれません。
そのため、トイレトレーニングを進めるには、子どもに「パパママに言われたからではなく、子ども自身の意思でトイレへ行った。」と思わせることが大切です。
「トイレへ行きなさい」ではなく、「自分でトイレに行けるんだよね~(煽る)」、「トイレに行ったら一緒に遊ぼうね(ご褒美)」、「オムツにおしっこすると交換したりお尻拭いたりするのに時間がかかるよ(不利益)」などと声をかけるのがポイントです。
どんな声かけが効果を発揮するかについては、子どもの性格やその時の気分などによって違うので、色々と試してみましょう。
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一日のサイクルの各場面でトイレを促す
子どもは、よほどのことがないと、最初から自発的にトイレへ行こうとはしません。
そのため、朝起きた時、朝食後、昼食後、お昼寝の前後、お出かけの前後、夕食後、寝る前など、一日のサイクルの各場面でトイレを促しましょう。
もちろん、素直に言うことを聞いてくれることは少ないはずですが、毎日決まった時にトイレを促すことで、「この後はトイレに行くんだな。」という感覚が身についていきます。
「トイレへ行きなさい」ではなく、「この後、何するんだったかな」、「自分でトイレへ行けるかな」、「トイレに行ってシールを貼ろうか」など、子どもの自主性を引き出す声かけが効果的です。
子どもが遊びなどに夢中になっていても、トイレの時間はしっかりと覚えさせることが大切です。
ただし、無理やり中断させると反発されるので、「それが終わったらトイレ行くよ。」などと予告し、遊びなどがひと段落するまで待ってあげましょう。
褒める、叱らない
トイレトレーニングは、「失敗して当たり前、できたらすごい」が基本です。
おむつを履いていた子どもがトイレで用を足せるようになることは、母乳やミルクから離乳食へ、ハイハイから一人歩きへ移行するのと同じかそれ以上に大変なことです。
子どもがトイレでおしっこやうんちをしたら、少し大げさなくらい褒めてあげましょう。
また、失敗しても叱らず、すぐおむつやトレーニングパンツを交換し、励ましてあげましょう。
失敗を怒ってしまうと、子どもは自尊心を低下させ、再び起こられるのを嫌ってトイレに行きたがらなくなり、かえってトイレの自立が遅れることになります。
つい叱ってしまった場合は、すぐに謝り、「今度は一緒に頑張ろうね。」などと温かい言葉をかけてあげましょう。
まとめ
トイレトレーニングは、子どもにとってもパパママにとっても長期戦で、負担の大きなトレーニングです。
しかし、トイレの自立は、子どもが社会生活を送る上で欠かせないことなので、根気強く、粘り強く親子一緒に取り組んでいきましょう。