自己肯定感という言葉を聞いたことがありますか?
自己肯定感は、人が自分に自信を持って、充実した社会生活や家庭生活を送る上で欠かせないものです。
自己肯定感が安定して育まれるかどうかは、乳幼児期における体験や、知育・育脳といった教育が重要だと考えられています。
この記事では、自己肯定感の高い子供に育てるための関わり方について紹介します。
自己肯定感とは
自己肯定感とは、「自分は大切な存在で、周囲から必要とされている」というように、自分の価値や存在を肯定的に受けとめる感覚や感じ方のことです。
自己肯定感が高い子供は、自分の言動に自信を持ち、何事にも前向きにチャレンジできますし、困難に直面してもくじけず立ち向かって道を切り開いていけます。
また、気持ちに余裕があり、積極的に人と関わったり、人の気持ちを察して行動したりできるので、自然と良好な人間関係が広がっていきます。
一方で、自己肯定感が低い子供は、自分の言動に自信が持てず、周囲の目を気にして、失敗しないことにばかり力を注ぎがちです。
自己肯定感の高い子供と低い子供の主な特徴は、次のとおりです。
自己肯定感の高い子供の特徴
- 新しいことにチャレンジし、失敗してもくじけず乗り越えようとする
- 褒められると素直に喜び、感謝を言葉や態度で表現できる
- 怒られると素直に反省し、同じ失敗を繰り返さないよう態度や言動を修正する
- 互いに助け合い、高めあえる人間関係を築こうとする
- 相手の良いところを素直に認める
- 能力や立場が上の人を目標にし、下の人はサポートしようとする
自己肯定感の低い子供の特徴
- 感情のコントロールがうまくできない(すぐ怒ったり泣いたりするなど)
- 褒められても素直に喜べず、ウラがあるのではないかと勘ぐる
- 怒られると自分を否定されたと感じて落ち込んだり、怒ったりする
- 自分の役に立つ、利用できる人間関係を築こうとする
- 人を認められず、あらさがしをして悪口ばかり言う
- 立場や能力が上の人には萎縮して追従し、下の人には威張ったりいじめたりする
子供の自己肯定感を高めるには
子供の自己肯定感は、パパママの関わり方次第で大きく変化します。
「ありがとう」を伝える
ありがとうは、相手に感謝し、相手を肯定する最高の褒め言葉です。
「ありがとう」と言うことで、子供は「役に立ったんだ。」、「認めてもらえたんだ。」と感じることができ、自己肯定感を高めることができます。
また、ありがとうの意味が分かるようになると、周りに対してもたくさんありがとうを言える子供になります。
パパママは常に子供を見守り、サポートしていることを伝える
子供は、パパママにたくさん関わってもらい、愛情を注いでもらうことで「パパママから大切にされている。僕(私)は必要な人間なんだ。」と感じ、自己肯定感を育んでいきます。
「見守り、サポートしていること」は、心の中で思っているだけでは子供に伝わりにくいものなので、言葉で伝え、態度で示してあげることが大切です。
もちろん、子供がルール違反や自傷他害などの問題を起こした時は、しっかり叱る必要があります。
しかし、感情的に怒りをぶちまけたり、子供を否定したりするのではなく、子供の言い分を聞いた上で、子供の発達や理解力に応じた言葉で、理由を伝えながら叱ります。
そして、叱り終えた後は気持ちを切り替え、普段どおりに接してあげましょう。
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たくさん褒める
褒めることは、子供の自己肯定感を育む最高の方法です。
子供は、頑張りや努力を褒められることで自分の言動に自信を持ち、パパママが見守ってくれているという安心感も抱いて、困難なことでもくじけず取り組めるようになります。
そして、頑張り・努力→褒める→さらに頑張って目標達成→褒める→自信をつけて新しいことにチャレンジ→褒める→頑張り・努力という好循環が生まれ、自然と自己肯定感も育まれていきます。
年齢が低い頃ほど、日常の小さなことでもたくさん褒めてあげましょう。
子供の自己肯定感を育む褒め方は、次のとおりです。
- 頑張りや努力を褒める
- 具体的な言動を褒める
- その場で褒める
- 褒めていることを言動や態度ではっきり示す
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子供の話を親身に聞く
子供は、言葉を覚えると、パパママとたくさん話したがるようになります。
子供が話している時は、子供の方を見て、相槌を打ちながらしっかりと耳を傾けてあげましょう。
たとえ子供の話が分かりにくくても、真剣に聞いてあげることで、子供は「話を聞いてくれている。受け入れてくれている。」と感じて自己肯定感を高めていきます。
話を無視したり、否定したり、さえぎったりすると、子供は「僕(私)に興味ないんだ。」、「間違ったことをしているんだ。」と感じて自己肯定感を低下させますし、親と話そうという意欲も失ってしまいます。
親子で過ごす時間を増やす
ここまでは、言葉や態度で子供の自己肯定感を育む方法を紹介しました。
しかし実は、子供は、パパママがそばにいるだけで「いつも一緒にいてくれる」、「大切にされている」と感じ、自然と自己肯定感を育んでいけることが分かってきています。
「そばにいる」には、子供が起きている時に一緒にいるだけでなく、子供と一緒に寝ることも含まれ、物理的に子供のそばで過ごすこと全般を意味します。
日本は、世界の中でも労働時間の長い国として有名ですが、少しでも子供と一緒に過ごす時間を増やす工夫をしてみることは大切でしょう。
まとめ
自己肯定感の概要、自己肯定感の高いもしくは低い子供の特徴、子供の自己肯定感を高める方法について紹介しました。
子供が自己肯定感を育むために特に重要なのは、乳幼児期におけるパパママの関わり方です。
乳幼児期のうちに、十分に自己肯定感を高めることができなかった子供は、その後、成長するにつれて対人関係など社会にうまく適応できず、生きづらさを感じるようになると考えられています。
現在の子供への関わり方を急に変えることは難しいはずですが、常日頃から、子供の自己肯定感を高めることを意識して関わることで、少しずつでも子供に変化がみられるはずです。