知育ノート

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育児休業給付金はいつもらえる?申請期限と条件、計算方法は?延長可能?

育児休業給付金は、育休(育児休業)期間中の生活支援を目的として、一定の条件を満たす育休中の父または母が、休業前の給料に応じて給付金を受給することができる制度です。

育休中は、原則として会社から給料が支払われず、休業前と比較して収入が減少するかなくなるところ、育児休業給付金を受給することで経済的な不安を緩和することができます。

しかし、育児休業給付金という名称くらいは知っていても、「いつもらえるのか。」、「受給条件は何か。」、「金額はどうやって計算するのか。」、「育児休業を延長した場合、給付金はいつまでもらえるのか。」など制度の詳細までは知らない人が多いものです。

会社によっては担当部署の職員が制度に精通しておらず、誤った申請時期を教えられるなどのトラブルが発生することがあるため、申請から受給までを円滑に進めるには、育児休業取得者自身が制度を理解しておくことが大切です。

この記事では、育休(育児休業)の概要、育児休業給付金の概要、受給条件、対象期間と支給額の計算方法、申請方法、支給期間の延長について紹介します。

育休(育児休業)とは

育休とは、子育て中の労働者が子どもの養育を目的として取得することができる休業です。

正式名称は育児休業ですが、育休と省略して使用されるのが一般的です。

育休(育児休業)の法的根拠

育休は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下、「育児・介護休業法」という。)」に規定されています。

労働者が、(中略)その子を養育するためにする休業をいう。

(育児・介護休業法第2条第1項)

※「労働者」と「子」の定義は省略

育休が取得できる期間

育休が取得できる期間は、育児・介護休業法第5条第1項に定められています。

労働者は、その養育する1歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次の各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる。

1 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者

2 その養育する子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者

(育児・介護休業法第5条第1項)

つまり、育休が取得できるのは、原則として「子どもの出生日から、子どもが1歳になる日の前日まで」です。

また、育児・介護休業法第5条第3項と第4項では、一定の条件を満たす場合、子どもが1歳6ヶ月または2歳に達するまで育児休業期間を延長することができると規定されています。

  育休期間
原則 子どもの出生日から子どもが1歳になる日の前日まで
延長 子どもが1歳6ヶ月に達するまで
延長(2回目) 子どもが2歳に達するまで

この他、父母の両方が育休を取得した場合に育休期間が2ヶ月間延長される、「パパママ育休プラス」という特例制度もあります。

育児休業給付金は育休期間中に支払われるため、育休期間については延長も含めて把握しておきましょう。

 

育児休業給付金制度とは

育児休業給付金とは、育休を取得して会社から給料が支払われないまたは減額される場合に、一定の要件を満たす育休取得者からの申請により、雇用保険から支給される給付金です。

育児休業給付金は、育休中の生活支援を目的として1995年に創設されました。

創設以降、育児休業中の経済的な不安を緩和し、働く女性が出産・育児をしやすい環境を整備するとともに、育休中の経済的不安を理由に育休取得を躊躇する父母を減らすために、給付金額の増額などの改正が行われています。

育児休業給付金の受給要件

育児休業給付金を受給するには、雇用保険に加入していることや就労期間などの要件を満たす必要があります。

子ども 1歳未満の子どもを養育している
雇用保険 雇用保険に加入している
休業前の勤務 育休開始日までの2年間に、1ヶ月に11日以上勤務した月が12ヶ月以上ある
復帰意思 育休終了後に職場復職する意思がある
育休中に給料の支払いがある場合 育休中に給料の支払いがある場合、休業開始前の1ヶ月当たりの給料の80%以下である
育休中に就業している場合 育休中の1ヶ月の就業日数が10日以下(就業日数が10日を超える場合は就業時間が80時間以下)である

1歳未満の子どもを養育している

育児休業は子どもの養育を目的とした休業であり、育休中に支給される育児休業給付金も子どもを養育していることが要件となります。

育児休業給付金を申請できるのは、原則として、生後1歳未満の子どもを養育している間だけです。

育休期間の延長が認められた場合は、申請により育児休業給付金の支給も延長できます。

雇用保険に加入している

育児休業給付金は雇用保険の失業等給付(求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付)のうち、雇用継続給付の一つ「育児休業給付」として支給されます。

したがって雇用保険に加入していない場合、受給要件を満たしません。

育休開始日までの2年間に、1ヶ月に11日以上勤務した月が12ヶ月以上ある

休業前2年間における1ヶ月当たりの勤務日数も受給要件の一つです。

1ヶ月に11日以上勤務した月が12ヶ月以上なので、正社員であれば問題なくクリアしているでしょう。

注意したいのは雇用形態が契約社員、派遣社員、パートなどの場合です。

雇用日数の要件を満たさない状態で勤務していた場合、妊娠が分かってから勤務形態を変更しても受給要件を満たすことはできません。

将来的に育休取得を希望する場合、雇用契約を結ぶ段階で育児休業給付金の受給要件を満たす勤務日数にしておきましょう。

育休終了後に職場復職する意思がある

育休は育児「休業」であり、終了後は職場復帰することが前提です。

育休終了後に退職する方法もありますが、取得時には職場復帰する意思を示さなければなりません。

育休中に給料の支払いがある場合、休業開始前の1ヶ月当たりの給料の80%以下である

「育休中は家事育児に専念しなければならない。」というイメージを持っている人が多いですが、実は、法律上も、育休中も一定の範囲内で働くことが認められています。

働けば、当然、会社から給料が支払われます。

しかし、育休に給料の支払いを受けながら育児休業給付金も受給するには、月々の給料が休業開始前の1ヶ月当たりの給料の80%以下である必要があります。

支払われた給料と育児休業給付金の合計金額が育休開始前の給料の80%を超える場合は支給額が減額され、賃金だけで休業開始時賃金日額×支給日数の80%を超える場合は支給されません。

例えば、休業前に月額30万円の給料が支払われていた場合、休業後に24万円以上の給料が支払われると、育児休業給付金の受給要件を満たさなくなります。

育休中の1ヶ月の就業日数が10日以下(就業日数が10日を超える場合は就業時間が80時間以下)である

育児休業給付金の受給要件を満たすには、育休中の就業日数を10日以下にするか、就業時間を80時間以下にする必要があります。

以前は就業日数が10日以下という要件のみでしたが、2014年10月1日に就業時間が80時間以下という要件が加えられました。

就業日数と就業時間のいずれか一方の要件を満たせば良いため、より柔軟な働き方が可能になっています。

育児休業給付金の支給額の計算方法

育児休業給付金の支給額は、休業前の給料によって変動します。

2018年9月現在の育児休業給付金の支給額は、以下の計算式で算出することができます。

  • 育児休業開始から6ヶ月(180日間):休業開始時賃金日額(休業開始前6ヶ月の賃金の日額÷180)×支給日数×67%
  • 育児休業開始から6ヶ月以降(181日以降):休業開始時賃金日額(休業開始前6ヶ月の賃金の日額÷180)×支給日数×50%

※育児休業給付金の支給額は、制度創設以降、度々増額されているため、今後も変動する可能性があります。

育児休業給付金の支給額の上限と下限

育児休業給付金の支給額には上限と下限が設定されています。

  支給額
上限
  • 育休開始から180日間は30万1,299円
  • 181日目以降は22万4,850円
下限
  • 7万4,100円

※2018年9月時点の金額です。

※上限額は2018年8月1日以降の支給対象期間から適用されます(それ以前は、育休開始から180日間は29万9,691円、181日以降は22万3,650円)。

【計算方法の具体例:Wさんの場合】

休業開始時賃金日額が1万円、30日分の育児休業給付金を申請するとして計算してみます。

  • 育休開始から180日間:1万円(休業開始時賃金日額)×30日(支給日数)×67%=20万1,000円
  • 育休開始から181日目以降:1万円×30日×50%=15万円

育休中に給料が支払われている場合の育児休業給付金の計算方法

上で紹介したのは、育休中に会社から給料の支払いがない場合の計算方法です。

給料の支払いがある場合、①給料の金額や②給料と育児休業給付金の合計金額によって、支給額が減額またh支給対象外となることがあります。

まず、休業開始前と休業開始後の給料を比較して給料の低下率を算出します。

  • 給料の低下率=育休中に支払われた給料÷休業開始時賃金月額×100

給料の低下率に応じた支給額の変動と計算式をまとめると、以下のとおりです。

給料の低下率が30%以下

(給料と育児休業給付金の合計額が育休開始前の給料の80%以下)

支給額に変動なし

支給額=休業開始時賃金日額×支給日数×67%(181日目以降は50%)

給料の低下率が30%以上80%以下
(給料と育児休業給付金の合計金額が育休開始前の給料の80%以上)

育児休業給付金の支給額が減額

支給額=(休業開始時賃金日額×支給日数×80%)-育休中に支払われた給料

給料の低下率が80%以上

(給料だけで育休開始前の給料の80%を超える)

支給対象外

【計算方法の具体例:Vさんの場合】

Vさんの休業開始前賃金日額が1万円、育休中に支払われた給料(月額)が15万円だった場合で計算してみます。

  • 給料の低下率=15万円÷30万円(1万円×30日)×100=50%

給料の低下率が50%なので、「給料の低下率が30%以上80%以下」の計算式を使用します。

  • 支給額=(1万円×30日×80%)-15万円=9万円

育児休業給付金は非課税

会社から支払われる給料には所得税などが課されますが、育児休業給付金は非課税です。

また、次年度の住民税を決定する際の収入にも算定されない取扱いです。

育児休業給付金の申請方法

育児休業給付金を受給するには、受給要件を満たす父または母が申請しなければなりません。

育児休業給付金の申請から給付金が支給されるまでの流れを確認しておきましょう。

  1. 育児休業給付金支給申請書などが郵送されてくる
  2. 育児休業給付金支給申請書などの必要事項を記入し、添付書類を準備する
  3. 育児休業給付金支給申請書などを勤務先に返送する
  4. 勤務先がハローワークに育児休業給付の申請を行う
  5. 雇用保険から育児休業給付金が支給される

育児休業給付金支給申請書などが郵送されてくる

育休開始から一定期間が経過すると、勤務先から以下の書類が郵送されてきます。

  • 育児休業給付金支給申請書
  • 育児休業給付受給資格確認票
  • 添付書類一覧表

育児休業給付金支給申請書などの必要事項を記入し、添付書類を準備する

同封されている記載例を参考にして、育児休業給付金支給申請書と育児休業給付受給資格確認に必要事項を記入します。

また、母子手帳(出生届出済証明のページ)のコピーと銀行口座通帳(表紙と次のページ)のコピーを準備する必要があります。

育児休業給付金支給申請書などを勤務先に返送する

以下の書類を揃え、勤務先に返送します。

  • 育児休業給付金支給申請書
  • 育児休業給付受給資格確認票
  • 母子手帳のコピー
  • 銀行口座通帳のコピー

育休取得者が手続きを行うのはここまでです。

勤務先がハローワークに育児休業給付を申請する

勤務先は、育休取得者から受け取った育児休業給付金支給申請書などに、出勤簿や賃金台帳等の出勤や賃金に関する資料、雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書を添付し、ハローワークに育児休業給付を申請します。

雇用保険から育児休業給付金が支給される

ハローワークが受給要件などを確認し、受給を認める決定をした場合、育休取得者の銀行口座へ育児休業給付金が振り込まれます。

2回目以降の育児休業給付金の申請

育児休業給付金を受給するには、育休期間が2ヶ月経過するごとに申請書を勤務先に提出し、勤務先に給付金の申請を行ってもらわなければなりません。

育児休業給付金はいつもらえる?(支給日)

育児休業給付金は、育休期間が2ヶ月経過するごとに支給申請を行うことにより、2ヶ月ごとに支払われます。

初めて申請できるのは育休開始から2ヶ月が経過した後で、申請から支給までに1ヶ月程度はかかります。

したがって、初回の支給日は、育休開始日から約3ヶ月後になります。

申請から支給までの流れ

初回の申請から支給までの流れをまとめると、以下のとおりです。

手続き 要する期間
勤務先がハローワークに育児休業給付を申請 約1週間(勤務先による)
ハローワークの審査・支給決定 15日間(標準的な審査期間)
支給 支給決定から約1週間

2回目以降も初回と同じくらいの期間を要すると考えておきましょう。

育児休業給付金の延長

育休期間が延長された場合、育児休業給付金の支給期間も申請により延長することができます。

育児休業給付金延長の要件

延長の要件を確認しておきましょう。

要件 具体例
子どもの保育所を申し込んだが、1歳または1歳6ヶ月に達する日以降も入所できない場合 認可保育所に申し込んだが、子どもが1歳を過ぎても入所できない
配偶者が子どもを養育することが困難になった場合
  • 死亡
  • ケガ・病気・精神上の障害など
  • 婚姻の解消などで配偶者と子どもが別居した
  • 6週間以内に出産予定がある(多胎の場合は14週以内)
  • 出産後8週間を経過していない

育児休業給付金延長の申請

子どもが1歳に達した後と1歳6ヶ月に達した後、育児休業給付金の延長を申請する必要があります。

育児休業給付金支給申請書に育休を延長したことを記載するとともに、延長の理由を証明する資料を添付しなければなりません。

延長の理由 添付書類
保育所に入所できない 入所申出書、入所不承諾通知書など
配偶者が死亡した 配偶者の死亡が記載された戸籍謄本、母子手帳など
ケガ・病気・精神上の障害など 診断書、母子手帳など
離婚などで配偶者と子どもが別居した 離婚の事実が分かる戸籍謄本、住民票、母子手帳など
6週間以内に出産または出産後8週間を経過していない 母子手帳など

まとめ

育児休業給付金は、育休取得者の生活支援を目的として雇用保険から支払われる給付金です。

育休中は収入が減少したりなくなったりするため、育児休業休業給付金が支給してもらえるメリットは大きいものです。

育休開始後の経過日数や育休中に支払われた給料によって支給額が異なるため、自分がいくら支給できるのか事前に確認しておきましょう。

また、1回目の支給時期は育休開始から約3ヶ月後なので、それまでの生活費を確保することも忘れないでください。