知育ノート

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イクメンプロジェクトとは?厚生労働省のねらい、男性の育休や育児参加への効果は?

イクメンプロジェクトという厚生労働省のプロジェクトを知っていますか。

近年、女性が活躍できる社会づくりが推進されるのと並行して、男性の育児参加を推進する動きも活発になり、男性が育児参加しやすいように育児参加制度が改正されたり新制度が創設されたりしてきました。

また、積極的に育児に関わりたいという男性も増えてきました。

しかし、約3割の男性が育児休業の取得を希望しているにも関わらず、実際の取得率は2008年が1.23%、2009年が1.72%と極めて低い水準にとどまっていました。

イクメンプロジェクトは、こうした状況を踏まえ、男性の育児休業を促進する事業として発足しました。

イクメンプロジェクトとは、どのような制度なのでしょうか。

また、プロジェクトの効果は上がっているのでしょうか。

この記事では、イクメンプロジェクトの概要(発足の背景、効果)、イクメンプロジェクトの事業内容と効果について解説します。

イクメンプロジェクトとは

イクメンプロジェクトとは、働く男性が積極的に育児をしたり、育児休業を取得したりできる環境を整備することを目的とした、厚生労働省のプロジェクトです。

イクメンとは

イクメンとは、積極的に育児に参加する男性のことです。

厳密には、自発的に育児参加し、育児を楽しみ、育児を通して自分自身を成長させていこうとする男性や、将来的にそうした生活を送ろうと考えている男性のことですが、単に育児をしている男性を指すことも多くなっています。

「イク=育児」と「メン=men(男性)」を組み合わせて造られた単語です。

イクメンプロジェクトが発足する背景

イクメンプロジェクトが発足する以前から、育児休業を取得したいと希望する男性は多くなっていましたが、男性の育児休業取得率は低い水準にとどまっていました。

年度 育児休業取得率(%)
男性 女性
2007 1.56 89.7
2008 1.23 90.6
2009 1.72 85.6

また、日本人の男性が育児や家事をする時間は他の先進国と比較すると最低水準で、それが少子化や出産した女性の就労継続に悪い影響を及ぼしていると指摘されていました。

こうした状況を踏まえて、2009年、男性が育児参加しやすい社会の実現に向けて、「パパ・ママ育休プラス」制度の導入などを盛り込んだ改正育児・介護休業法が成立(施行は2010年6月30日)し、男性が育児休業を取得しやすい環境づくりのための法的整備が一歩進みました。

また、2010年6月18日に閣議決定された新成長戦略において、男性の育児休業取得率を2020年までに13%に引き上げるという具体的な数値目標が掲げられました。

こうした流れの中で2010年6月、男性の育児休業を促進する事業として発足したのがイクメンプロジェクトです。

イクメンプロジェクトの事業内容

イクメンプロジェクトの主な事業内容は、以下のとおりです。

  • イクメン宣言・イクメンサポーター宣言(イクメン&サポーターの登録)
  • 育児・育児休業体験談の掲載
  • イクメンの星
  • イベント告知
  • 表彰(イクメンオブザイヤー、イクメン企業アワード、イクボスアワード)
  • 企業の事例集や関係資料の公開
  • 各種セミナー、シンポジウムなどの企画・運営
  • 地域発信型のイクメン普及活動をサポート
  • 参画企業との連携による活動など

イクメン宣言・イクメンサポーター宣言

イクメン宣言とは、積極的に育児参加している男性が、育児に関する抱負、決意、目標、夢などを、イクメンプロジェクトのウェブサイトに登録する制度です。

イクメンサポーター宣言とは、イクメンの妻や親族などがイクメンへのメッセージなどを、イクメンプロジェクトの趣旨に賛同する企業や団体がプロジェクトやイクメンへのメッセージを、それぞれイクメンプロジェクトのウェブサイトに登録する制度です。

登録されたイクメン宣言やイクメンサポーター宣言は、イクメンプロジェクトのウェブサイトで閲覧することができます。

2018年7月17日時点で、イクメン宣言が2019件、イクメンサポーター宣言が532件登録されています。

育児・育児休業体験談の掲載

育児・育児休業体験談の掲載とは、育児参加したり育児休業を取得したりした男性が、イクメンプロジェクトのウェブサイト上に体験談を投稿したり、投稿された体験談を閲覧したりできる制度です。

2018年7月17日時点で、656件が掲載されています。

イクメンの星

イクメンの星とは、イクメン宣言をした男性がイクメンプロジェクトのウェブサイトに投稿した育児や育児休業の体験談のうち、推進チームがイクメンのロールモデルとなる男性を選んでウェブサイト上で紹介する制度です。

イクメンの星に選ばれた男性は、ウェブサイト上に写真と体験談が掲載されます。

イベント告知

イクメンプロジェクトでは、イクメンや男性の育児参加に関するイベントをイクメンプロジェクトのウェブサイト上で掲載しています。

イクメンの星による出前講義、男性の育児と仕事の両立支援に取り組む企業・自治体向けセミナー、イクメンフェス2018、イクメン企業アワード、イクボスアワードなどのイベントが告知されています。

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www.chiikunote.com

表彰(イクメンオブザイヤー、イクメン企業アワード、イクボスアワード)

イクメンプロジェクトでは、積極的に育児参加した男性や、育児参加する男性をサポートした企業・団体またはその職員を表彰しています。
主な表彰は、以下のとおりです。

  • イクメンオブザイヤー:育児を楽しみながら頑張った人を表彰する
  • イクメン企業アワード:男性の育児と仕事の両立を積極的に促進した企業を表彰する
  • イクボスアワード:イクボス(部下の育児と仕事の両立をサポートしながら、業務効率を上げて業務を滞りなく進め、自身も仕事と生活を充実させている管理職)を表彰する

企業の事例集や関係資料の公開

イクメンプロジェクトでは、男性の育児参加を促進する取り組みについて企業や団体がウェブサイト上に登録できるようになっています。

登録された情報は公開されており、仕事と育児を両立できる職場環境の整備を目指す企業や団体が閲覧できるようになっています。

各種セミナー、シンポジウムなどの企画・運営

イクメンプロジェクトでは、イクメンや男性の育児参加とそれをサポートする企業や団体の活動などに関するセミナーやシンポジウムなどを企画・運営する事業も展開しています。

地域発信型のイクメン普及活動をサポート

イクメンプロジェクトでは、地域で取り組まれているイクメン普及活動をサポートする事業も行っています。

例えば、ウェブサイト上の「男性の育休に取り組むご当地イクメン&イクボス取り組み」というページで、全国のイクメンやイクボスの取り組みを紹介しています。

参画企業との連携による活動など

イクメンプロジェクトは、推進チームが単体で活動しているわけではなく、プロジェクトの趣旨に賛同する企業や団体と連携を取りながら、男性の育児参加を推進する活動を展開しています。

イクメンプロジェクト発足後の男性の育児休業取得率(イクメンプロジェクトの効果)

イクメンプロジェクトの効果として分かりやすいのは、プロジェクト発足後の男性の育児休業取得率です。

年度 育児休業取得率(%)
男性 女性
2010 1.38 83.7
2011 2.63 87.3
2012 1.89 83.6
2013 2.03 83.0
2014 2.30 86.6
2015 2.65 81.5
2016 3.16 81.8
2017 5.14 83.2

出典:平成29年度雇用均等基本調査(速報)|厚生労働省

※育児休業取得率=出産者のうち調査時点までに育児休業を取得した者(開始予定の申出をしている者を含む。)の数/調査前々年10月1日から翌年9月30日までの1年間(男性の場合は配偶者が出産した者)の数(2010年度までの調査においては、調査前年度1年間の出産者)

※2011年度は、岩手県、宮城県、福島県を除く全国の結果

もちろん、男性の育児休業取得率の向上がイクメンプロジェクトだけの影響によるものではありません。

しかし、イクメンプロジェクトが、男性の育児参加を受け入れて促進しようという社会の動きを生じさせる一因となっており、それが男性の育児休業取得率の向上につながっているとは言えるでしょう。

まとめ

積極的な育児参加や育休取得を希望する男性は増加していますが、仕事に忙殺されたり、周囲の目を気にしたりして育児参加や育休取得を実現できないことが多いのが現実です。

イクメンプロジェクトが発足して以降、男性の育休取得率は若干ながら改善されていますが、育休取得期間が女性よりはるかに短いことをはじめ、取得率からは見えない課題が山積しています。

参考:育てる男が、家族を変える、社会が動く。イクメンプロジェクト