知育ノート

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子の看護休暇制度とは?有給?無給?半日・時間単位は可能?申出方法は?

子どもの病気やケガで監護が必要なときや、子どもを予防接種や乳幼児健診(健康診断)に連れて行くとき、有給休暇とは別に取得できるのが子の看護休暇です。

子の看護休暇は、育児・介護休業法に規定された休暇制度の一つで、子の介護休暇制度を設けることは会社の義務になっています。

しかし、「名前は聞いたことがあるけれど、取得したことはない。」というパパやママが多いのが現状です。

子の看護休暇とはどのような制度なのでしょうか。

この記事では、子の看護休暇の概要、有給か無給か、取得単位、申出の方法について解説します。

子の看護休暇制度とは

子の看護休暇とは、未就学の子どもを養育するパパやママが、病気やケガをした子どもの看護や、予防接種、乳幼児健診(健康診断)を受けさせる目的で取得できる休暇です。

子の看護休暇は、育児・介護休業法第16条の2に規定されています。

小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において5労働日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が2人以上の場合にあっては、10労働日)を限度として、負傷し、若しくは疾病にかかった当該子の世話又は疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話を行うための休暇(以下「子の看護休暇」という。)を取得することができる。

(育児・介護休業法第16条の2)

会社で働く人には、継続勤務年数に応じて有給休暇が付与されています。

しかし、子どもは急に熱を出したり保育所でケガをしたりしますし、予防接種や乳幼児健診(健康診断)にも親が連れて行かなければならず、有給休暇だけでは足りなくなることが珍しくありません。

子の看護休暇は特別休暇の一つで、有給休暇とは別に取得することができるため、子どもの看護のために取得できる休暇が増えることになり、パパやママが休暇の残日数をあまり気にせず休むことができるようになります。

また、子の看護のためという目的がはっきりしているため、同僚や上司に気兼ねせずに取得しやすいのもメリットです。

子の看護休暇が取得できる人

子の看護休暇を取得できるのは、未就学の子どもを養育しているパパやママで、日雇いを除く労働者として会社などに勤務している人です。

子の看護休暇制度を設けることは法律によって会社に課せられた義務であり、就業規則に規定がなくても取得することができます。

就業規則に規定がないことを理由に会社が子の看護休暇を拒否した場合、会社にペナルティが課せられます。

なお、雇用継続期間が6ヶ月未満または1週間の所定労働日数が2日以下の労働者について子の看護休暇を取得できないという内容の労使協定が結ばれている場合、これらの労働者の子の看護休暇を会社が拒むことができます。

子の看護休暇が取得できる場合

子の看護休暇は、ケガをしたり病気にかかったりした子どもの看護、予防接種や乳幼児健診に子どもを連れて行く目的で取得することができます。

以前は、ケガをしたり病気にかかったりした子どもの看護に限定されていましたが、2010年6月30日施行の改正育児・介護休業法から予防接種や乳幼児健診を目的として取得することができるようになりました。

また、ケガや病気の程度についての基準がなく、パパやママが子どもの状態から必要と考えたときに、申出を行って取得することができます。

一方で、子どもの看護以外の目的による取得は認められていません。

例えば、子どもの幼稚園の入園式や卒園式、親子遠足、運動会、生活発表会など看護とは関係ない理由で子の看護休暇を取得することはできません。

時季を変更されない

子の看護休暇は、子どもの看護のために必要があるときは、仕事の繁忙度などに左右されることなく取得することができます。

有給休暇では、会社が休暇取得により仕事に支障が出ると判断した場合、休暇の時季変更(日にちや時間の変更)を求めてくることがあります。

しかし、子の看護休暇については、子どもの看護のためという性質上、会社は時季変更を求めることができないことになっています。

子の看護休暇を取得できる日数と取得単位

子の看護休暇を取得できる日数と取得単位を確認しておきましょう。

子の看護休暇を取得できる日数

子の看護休暇が取得できる日数は、育児・介護休業法で「1年に5日(子どもが2人以上の場合は10日)」と定められています。

子どもの人数 子の看護休暇の日数(1年間)
1人 5労働日
2人以上 10労働日

通常、1年とは4月1日から3月31日までの期間ですが、会社が1年について特に定めている場合は、その定めによります。

また、法律の規定より多い日数を「子の看護休暇」として取得できる制度を設けている会社もあります。

子の看護休暇の取得単位

子の看護休暇の取得単位は、1日または半日(1日の所定労働時間の2分の1)です。

以前は1日単位で取得するしかありませんでしたが、20171月1日に施行された改正育児・介護休業法では斑日単位で取得できることが明記されました。

労使協定によって1日の所定労働時間の2分の1以外の時間数を半日と定めている場合は、その定めによります。

なお、就業規則で時間単位の取得を規定している場合は、時間単位で取得することもできます。

子の看護休暇は有給か無給か

子の看護休暇が有給か無給かは会社によって異なります。

法律上、会社の義務とされているのは子の看護休暇制度を設けることであり、子の看護休暇を有給とする義務は課せられていません。

したがって、子の看護休暇を無給としていても、会社にペナルティが課されることはありません。

子の看護休暇を有給とする会社は増加傾向にありますが、依然として無給のままの会社も少なからずあります。

また、完全に有給としている会社もあれば一部のみ有給とする会社もあり、会社によって様々です。

なお、公務員の場合、国家公務員か地方公務員かを問わず、子の看護休暇は有給です。

子の看護休暇の申出方法

子の看護休暇を取得するには、以下の事項を勤務先に明らかにして申出を行う必要があります。

  • 労働者の氏名
  • 申出にかかる子どもの氏名と生年月日
  • 看護休暇を取得する年月日(半日単位で取得する場合、看護休暇の開始及び終了の年月日時)
  • 取得の理由(申出にかかる子どもがケガをしたり疾病にかかったりしている、予防接種や乳幼児健診に連れて行く)

通常は、勤務先が作成した申出書面に必要事項を記入して担当部署に提出する方法により申出を行います。

しかし、子どもが急に体調を崩した場合などは、上司や担当部署に電話して子の看護休暇の申出を行い、出勤時に書面を作成・提出することも可能です。

子の看護休暇と有給休暇、育児目的休暇の違い

子の看護休暇と有給休暇、育児目的休暇との違いを見ておきましょう。

子の看護休暇と有給休暇の違い

有給休暇とは、一定期間を継続して勤務した人に付与される休暇制度です。

有給休暇は、労働基準法第39条に規定されています。

1 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

2 使用者は、1年6箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して6箇月を超えて継続勤務する日(以下「6箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数1年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる6箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。

(労働基準法第39条)

法律上、有給休暇の付与日数は、以下のとおり規定されています。

継続勤務年数 付与日数
0.5 10日
1.5 11日
2.5 12日
3.5 14日
4.5 16日
5.5 18日
6.5 20日

(労働基準法第39条第2項記載の表を参考に作成)

なお、パートタイム労働者は、継続勤務年数、週所定労働日数、1年間の所定労働日数で有給休暇の付与日数が決定します。

有給休暇は、付与された日数の範囲内であれば理由を問わず取得することができ、取得目的が「子の看護のため」に限定される子の看護休暇とは違います。

また、有給休暇は、その名称どおり付与された日数の範囲内であれば有給です。

一方で、子の看護休暇は、有給か無給かは会社の方針によって決められます。

子の看護休暇と育児目的休暇の違い

育児目的休暇とは、未就学の子どもを養育するパパやママが、育児に関する目的で取得できる休暇です。
2017年10月1日に施行された改正育児・介護休業法で初めて登場した休暇で、法的根拠は、育児・介護休業法第24条です。

事業主は、その雇用する労働者のうち、その小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、労働者の申出に基づく育児に関する目的のために利用することができる休暇を与えるための措置及び次の各号に掲げる当該労働者の区分に応じ当該各号に定める制度又は措置に準じて、それぞれ必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(育児・介護休業法第24条)

育児目的休暇については、法律上、会社に制度を設ける努力義務を課しているにすぎず、設けられていなくても会社にペナルティはありません。

この点で、法律上、制度を設けることが義務とされている子の看護休暇とは異なります。

また、子の看護休暇は「子の看護のため」にしか取得できませんが、育児目的休暇は「子どもに関する目的」のために取得できる休暇で、子どもの看護はもちろん、保育所の入所式や行事への参加のために取得することも可能です。

まとめ

子の看護休暇は、子どもの急な病気やケガなどに対応するために取得できる休暇です。

有給休暇とは別に規定されているため、有給休暇の残日数を気にせず取得できる上、会社から時季変更を求められることもなく、子育て中の親にとってはありがたい制度です。

目的が「子どもの看護のため」に限定されていますが、有給休暇や育児目的休暇とうまく組み合わせて取得することで、より柔軟に子どもへの対応ができるようになるでしょう。