知育ノート

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小児期崩壊性障害(発達障害)とは?原因と特徴(症状)、治療法は?

小児期崩壊性障害という発達障害を知っていますか?

小児期崩壊性障害は、順調に育っているように見えた子供が、ある時期を境に退行していき、最終的には重度の自閉状態になってしまう障害です。

この記事では、小児期崩壊性障害の概要、特徴(症状)、治療法について紹介しています。

小児期崩壊性障害とは

小児期崩壊性障害とは、生後2年間以上は知的機能、言語機能、社会的機能が年齢相応に発達していたのに、その後、低い水準まで退行する、進行性の発達障害です。

まず、言葉を理解して適切に使用する機能が退行し、その後、知的機能や社会的機能が退行する上、常同行動など自閉症に似た症状が進行・慢性化していきます。

1908年、ドイツの治療教育者TheodorHellerが初めて報告したことから、ヘラー症候群と呼ばれることもあります。

なお、DSM-Ⅳでは広汎性発達障害の1つでしたが、DSM-5でサブカテゴリーが統合されたのに伴って、自閉症スペクトラム障害にまとめられました。

DSM-5とは

DMS-5とは、精神障害の分類のための共通言語と標準的な基準を提示する目的で、アメリカ精神医学会が出版している書籍の第5版です。

英語表記の「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」の頭文字を並べてDSMと呼ばれ、日本では「精神障害の診断と統計マニュアル」と訳されています。

自閉症スペクトラム障害とは

自閉症スペクトラム障害とは、DSM-5で神経発達症群に分類される診断名の一つで、コミュニケーションや言語の症状、常同行動などを示す状態をスペクトラム(連続体)として含むものです。

小児期崩壊性障害を発症しやすい人と発症率

発症するのは、男の子の方が女の子より4倍から8倍多いと言われています。

発症率は、約2万人に1人です。

小児期崩壊性障害を発症する時期

2歳~5歳の間に、言葉を理解したり、適切に使用したりする機能が退行していきます。

ある日突然消失するのではなく、約6ヶ月程度の間に退行するのが特徴です。

赤ちゃんの頃は正常に発達している

乳児期の赤ちゃんの頃は、言語機能、知的機能、社会的機能が問題なく発達します。

意味のある言葉を話し、同年代の子と遊び、色々なことを学習して身につけるなど、健常な子供と何ら変わりません。

その分、発症前後のギャップが大きく、お父さんお母さんとしては大きなショックを受けてしまいやすいものです。

小児期崩壊性障害の特徴(症状)

小児期崩壊性障害の特徴(症状)は、意味のある言葉を学習し、トイレットトレーニングを終えて、社会性を身につけて同年代の子供と遊べるようになった後、それらの能力が失われる一方で、知的障害や自閉傾向が顕著になっていくことです。

通常は、2~5歳の間に症状が出始めて、段階的に退行・進行していきます。

退行・進行の順序は、次のとおりです。

  1. 不機嫌ですぐ怒るようになる
  2. 言語機能の退行(意味のある言葉を話せなくなるなど)
  3. 社会的機能や知的機能の退行(人間関係が適切に築けなくなるなど)
  4. おしっこやうんちが制御できなくなる
  5. 自閉傾向の進行・慢性化(周囲の人や物への無関心、常同行動など)

最終的には、重度の自閉症と同じような状態が慢性化していきます。

また、小児統合失調症に似た症状を示すこともあり、診断は専門の医師でも難しいものです。

自閉症など他の発達障害に比べて日常生活に深刻な影響を及ぼす場合が多く、長期間にわたって治療やサポートを受ける必要があります。

小児期崩壊性障害の原因

現時点では分かっていません。

神経疾患、代謝疾患、けいれん性の障害、結節性硬化症などが、小児期崩壊性障害を引き起こすという説がありますが、特定には至っていません。

小児期崩壊性障害の治療

原因が不明であるため、根治法も見つかっていません。

治療方法は、基本的には自閉症の治療と同じです。

つまり、行動療法によって日常生活に必要なスキルを学習させながら、薬物療法で日常生活に支障をきたす症状(自傷他害や問題行動、発作など)を抑えることになります。

また、小児期崩壊性障害を発症した子供のケアには、家族や学校など周囲の人の協力が欠かせないため、そうした人への教育にも力がそそがれます。

まとめ

小児期崩壊性障害は、ある時期まで健全な発達を遂げていた子供が、徐々に獲得した機能を失い、対抗していく原因不明の病気です。

生まれながらに病気を抱えていることが分かるのもつらいことですが、「うちの子は健康だ」と思って育てていたのに、実は重い病気を抱えていると知らされるショックはとても大きなものがあります。

例えば、病気や怪我で障害が残り、障害者としての自分を受け入れるようなしんどさと苦しみを、親と子供の両方が味わうことになります。

これは、後天性の障害者が障害受容に苦労するように非常につらいことです。

そして、乗り越えるには親子だけでなく、周囲の手厚いサポートが欠かせません。

子供の病気を自分だけで抱え込もうとする親は多いですが、無理をせず、周囲のサポートに頼り、よりどころを見つけることが大切です。