子供の反抗期は2回やってきます。
「反抗期は子供が何歳頃に始まりますか。」と聞くと、多くのパパママは「13歳~17歳頃」と答えます。
これは、いわゆる「思春期」にやってくる第二反抗期と呼ばれる反抗期のことです。
一方で、第二反抗期よりもずっと前の幼児期に、第一反抗期(魔の2歳児)と呼ばれる反抗期がやってきます。
第一次反抗期は、パパママにとっては子供が思い通りにならず大変な時期ですが、子供にとっては、ママと密着した関係から自律へ向かうための大切な第一歩です。
この記事では、第一反抗期の概要、始まる年齢・時期、子供の第一反抗期の対処法について紹介します。
第一次反抗期(魔の2歳児)とは
第一次反抗期とは、自我意識の高まりを背景として、周囲の指示やしつけを拒否したり、反対の行動をとったりする時期です。
「イヤイヤ期」や「魔の2歳児(英語圏ではterrible two)と呼ばれることもあります。
「反抗期」と言うと、「親の言うことを聞かない=悪いこと」だと思いがちですが、子供にとっての第一次反抗期は、心が健全に成長発達するために欠かせない過程です。
第一次反抗期の過ごし方が、その後の子供の人格形成や第二次反抗期の現れ方に影響を及ぼすことが分かっています。
第1次反抗期(魔の2歳児)の特徴
第1次反抗期の特徴は、次の2つです。
- 自己主張が激しくなる(大人の言うことに「イヤイヤ」と反抗し、思い通りにならないと癇癪を起こす)
- 自主的な言動が増える(できないことでも、とりあえず自分でやりたがる)
子どもは、乳児期の赤ちゃんのうちは、パパママから全面的にお世話してもらって生活しており、そのことに満足しています。
親からの無償のお世話や愛情を注いでもらうことで、絆や愛着が形成されるのです。
ところが、幼児期に入ると、パパママとは違う意思や感情があることを自覚し、パパママとは違う一人の人間だという認識を強めて、自分の意思で行動するようになります。
いわゆる自我の芽生えです。
自我が芽生えた子供は、自分の意思でパパママの真似をしたり、褒められるように振る舞ったりといった適応的な行動を始めます。
一方で、言うことを聞かず、好き勝手行動したり、思い通りにならず駄々をこねるといった行動も目立つようになります。
これが第一次反抗期です。
自分でできることも増えるにつれて、自分の気持ちを言葉や態度で表現したり、何でも自分でしたい気持ちが強くなったりしていくのです。
とはいえ、幼児期の子どもには、やりたいことを上手にやり遂げるだけの力や、気持ちを十分に伝えるだけの言語表現力はまだ身についていませんし、自分の力量を客観的に見ることもできません。
そのため、できないことでも果敢にチャレンジし、思うようにできないとイライラして「イヤイヤ」で表現したり、癇癪を起こしたりするのです。
パパママからすると、こうした子どもの言動は「わがまま」や「単なる反抗」に見えるかもしれませんが、健常な子どもであれば誰でも通る過程であり、子どもが自己主張する手段や自主性を獲得したことの証です。
パパママにとっての第一次反抗期(魔の2歳児)
パパママにとっての第一次反抗期は、「わがままや反抗ばかりの子供に振り回される」大変な時期で、乳幼児期の子育てにおける山場と言っても過言ではありません。
第一次反抗期は、乳児期の赤ちゃんの子育てを終えて、「これからは少し楽になるかな。」と思っている矢先に突然やってきます。
それまではパパママにべったりで、言うことも聞いていた子供が、「イヤイヤ」と駄々をこね、わがままばかり言って好き勝手行動するようになるのです。
乳児期の子育てを乗り越えたパパママでも、第一次反抗期を迎えた子供の変化には大きなショックを受け、「あまりの変貌ぶりに手に負えない」とまいってしまうことが多いものです。
特に大変なのが、言葉の爆発期を迎えるまでの子供が第一次反抗期に突入した場合です。
言葉による意思疎通ができるようになった子供は、理屈はともかく言葉で自己主張し、聞く耳を持たないにしても言葉によるしつけができます。
しかし、言葉による意思疎通が難しい場合は、とにかくアクティングアウト(行動化)し、パパママの言うことを頑として受け入れず、反抗する傾向があります。
パパママとしては、子供にとっての第一次反抗期の重要さや、第一次反抗期の過ごし方がその後の子供の人格形成に大きく影響することを念頭に置き、子供への関わり方を試行錯誤することになります。
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第一次反抗期(魔の2歳児)が始まる年齢・時期
第一次反抗期が始まる年齢・時期は、子供の自我意識が強まる生後1歳6ヶ月~3歳頃が一般的です。
ただし、子供によって個人差が大きく、1歳頃から第一次反抗期に突入する子供もいれば、4歳を過ぎても第一次反抗期がなく、小学校入学前後になって急に反抗し始める子どももいます。
子供の第一次反抗期(魔の2歳児)の対処法
第一次反抗期の子供に対処するには、まずはパパママが第一次反抗期の子供に対する意識を変え、それから子供への関わり方を工夫することが大切です。
第一次反抗期(魔の2歳児)の対処法:「わがまま、反抗=悪いことではない」という意識を持つ
- 店先で気に入ったお菓子やおもちゃを見つけると、買ってあげるまで大声で泣き叫ぶ
- テレビは1日30分と決めていても、電源を切ろうとすると癇癪を起こす
- 帰る時間になっても、公園やプレイルームから動かず遊び続ける
これらは、パパママにとっては、第一次反抗期を迎えた子供の典型的な「わがまま」、「反抗」です。
しかし、いずれも子供の欲しい、遊びたい、もっと見たい、もっと遊びたいという自己主張の現れです。
赤ちゃんの時には泣くことしかできなかったのに、1~2年でこんなにバリエーション豊かな自己主張ができるようになったわけです。
子供の自己主張は、周囲に興味を向けて意欲的に関わることができることの証であり、しつけ、運動、勉強、集団生活などあらゆる場面で必要になる能力です。
そのため、頭ごなしに叱って押さえつけるのではなく、「わがまま、反抗=悪いこと」ではないという考え方を持って、子供の自己主張をうまく引き出しながら、思い通りにはならないこともあることを教えてあげることが大切です。
第一次反抗期(魔の2歳児)の対処法:子供がやりたいようにやらせてやる
- うまく着れないのに、自分で服を着ようとして、手伝おうとすると怒る
- ボロボロこぼすのに、自分でご飯を食べようとして、食べさせようとすると癇癪を起こす
こうした行動は、パパママからすると「非効率」なことかもしれませんが、子供の積極性や自主性の現れです。
この時期の子供は、何事もまず自分でやってみようという気持ちが強く、それを他人に邪魔されると癇癪を起こします。
パパママとしては、「手伝った方が早い。」、「時間がないのに。」と思うかもしれませんが、子供は自分で試行錯誤しながら成長するものなので、時間が許す限り自分でやらせてあげましょう。
時間がない時も、無理やり止めさせるのではなく、子供が納得できるようにしっかり説明してあげることを心がけてください。
ただし、朝のバタバタした時間など余裕がない時には、つい叱りつけて言うことを聞かせることもあるでしょう。
そんな時は、短くても良いので叱ったり止めさせたりした理由を説明してください。
子供は、その場では癇癪を起こしたり泣きわめいたりするかもしれませんが、ただ叱られるよりはパパママの行動を納得することができます。
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まとめ
第一次反抗期について紹介しました。
こうして文章にするのは簡単ですが、実際に第一次反抗期の子供の相手をするのは、傘も差さずに暴風雨の中をさまようようなものです。
それも、1日2日ではなく、数ヶ月~数年単位で続くわけです。
仕事をしながら子育てに関わっただけでもこうした感想を持つに至ったので、四六時中子育てをしている主婦や主夫の人の負担は計り知れないものがあります。
くれぐれも一人で抱え込まず、周りの力を当てにしながら乗り越えていってください。
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