赤ちゃんは何をしても可愛いものですが、時々不可解なことや困ったことをすることもあります。
子育て中のお父さんお母さんから「赤ちゃんの気になる行動」としてよく挙がるのが、「爪を立てる、つねる、つまむ」という行動です。
「突然腕に爪を立てる。」、「腕や足をギュッとつねる」、「お腹のお肉をつまもうとする。」など行動のバリエーションは様々ですが、「親が痛みを感じる行動」であることが共通しています。
赤ちゃんがすることなので痛み自体はたかが知れているのですが、「赤ちゃんに攻撃された。」、「嫌われているのではないか。」と受け止めてショックを受けるお父さんお母さんは少なくありません。
どうして赤ちゃんは親をつねったり、爪を立てたりするのでしょうか?
この記事では、赤ちゃんが爪を立てる、つねる、つまむ理由と、やめさせる方法について紹介します。
赤ちゃんが爪を立てる、つねる、つまむ理由
赤ちゃんが爪を立てる、つねる、つまむ理由は一つではありません。
主な理由としては、新しい手の動きを練習している、親の反応を見て楽しんでいる、親にかまってほしい、癖になっているなどがあります。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
新しい手の動きを練習している
赤ちゃんは、生後7ヶ月頃に爪を立てる、つねる、つまむ動作を覚えます。
個人差はありますが、発達等に異常がない場合は生後1歳前後までには覚えることが多くなっています。
赤ちゃんは、新しく覚えた動きを何度も繰り返すことで身につけていくもので、爪を立てたりつねったりすることも何度も繰り返し練習することで身につけようとします。
この時期の赤ちゃんをよく観察していると、親の身体だけでなく、机の上に爪を立ててみたり、紙をつねろうとしたりするなど、赤ちゃんが練習する様子に気づくはずです。
反応を見て楽しんでいる
赤ちゃんは、月齢を経るにつれて、相手の反応を見ながら行動することを覚えていきます。
赤ちゃんが腕に爪を立てた時にビクッと反応すると、赤ちゃんは面白がって何度も爪を立て、親の反応を楽しむようになります。
つねったり、つまんだりするのも同じ理由から繰り返す傾向があります。
かまってほしい
赤ちゃんは、親の反応を見る以外に、親の注意関心を自分に向けたい時にも爪を立てたりつねったりすることがあります。
赤ちゃんは、親の注意関心を引くためのスキルをあまり持ち合わせていないので、爪を立てることで親が反応してくれると分かると、何度も繰り返すようになります。
特に、泣いても、ぐずっても親が関心を向けてくれない場合、爪を立てて痛みを与えることで関心を向けさせようとする傾向があります。
癖になっている
同じ行動を繰り返すうちに癖になってしまうこともあります。
赤ちゃんが、爪を立てる、つねる、つまむという行動を繰り返す場合、癖になって止められなくなっている可能性が疑われます。
一旦癖になると、幼児期に入っても癖が残ることが少なくありません。
幼児期に入ると指や手の力が強くなるので、爪を立てられたりつねられたりすると痛いですし、出血することもあります。
また、お友達をつねるなどして怪我をさせてしまうリスクも考える必要が出てきます。
なお、赤ちゃんの癖は爪を立てる、つねる、つまむだけではなく、頭をブンブン振る、腕を回す、舌を出すなど様々です。
赤ちゃんが爪を立てる、つねる、つまむのを止めさせる方法
赤ちゃんが爪を立てたりつねったりするのを止めさせる主な方法は、以下のとおりです。
- 「痛い」ということを表情、声、態度で伝える
- 代わりになる物を与える
- 短い言葉で叱る
- 反応しない
「痛い」ということを表情、声、態度で伝える
赤ちゃんの行動を制限したい時に効果的なのが、親のネガティブな感情を表情、声、態度で伝えることです。
赤ちゃんは言葉を学習していないので、言って聞かせるだけでは理解できません。
一方で、赤ちゃんは、親が思っている以上に親の言動をよく観察しており、その感情や気分を敏感に察知しています。
そのため、赤ちゃんが爪を立てる、つねる、つまむなどした場合には、「痛い」と声に出し、同時に痛そうな表情を浮かべたり、痛みを感じたところを手で押さえたりしてみましょう。
大切なのは、爪を立てられるなどした時に「その場で」、「本気で痛がること」です。
実際の育児場面では、赤ちゃんをびっくりさせたくないと思って、「痛いから止めてね~」、「つねったらダメだよ~」などと優しく注意したり、笑いながら注意したりする親が多いものです。
しかし、あいまいな態度では赤ちゃんには伝わりにくいですし、赤ちゃんが親の反応を面白がって何度も繰り返すことにもなりかねません。
難しいですが、「親が嫌がっていることを赤ちゃんが理解できる程度」に伝える必要があります。
代わりになる物を与える
爪を立てる、つねる、つまむといった動作は、赤ちゃんが健康に成長し、手先を器用に動かせるようになった証であり、繰り返し練習することでより高度な手指の動きを身につけていくことができるものです。
そのため、爪を立てたりつねったりするのを一切禁止してしまうと、赤ちゃんの成長を妨げることにもなりかねません。
親の身体に爪を立てるなどした場合は注意しますが、その後、爪を立てるなどして良い物を与えてみましょう。
与えるのは、厚手のタオル、枕、クッション、ぬいぐるみなど、肌触りが人の皮膚に近く、赤ちゃんの力でも爪を立てたりつねったりできる物などが適しています。
短い言葉で叱る
爪を立てる、つねる、つまむといった動作が癖になっている場合は、幼児期まで持ち越さないよう、早いうちに止めさせておきたいものです。
態度で示したり、物を与えたりしても効果が薄い場合は、叱ることも検討します。
ただし、赤ちゃんには口でクドクド言っても伝わりませんし、以前のことを頭ごなしに叱りつけても怖さが残るだけです。
赤ちゃんを怒る時は、爪を立てるなどした時に「その場で」、「短い言葉」で叱りましょう。
例えば、赤ちゃんを叱る言葉としては「ダメ」、「あかんよ」、「No」などがあります。
いずれでも効果は変わりませんが、赤ちゃんを叱る時に使う言葉をあらかじめ決めておき、叱る時は同じ言葉を使うことで、赤ちゃんが「今、怒られているんだ。」ということを理解できるようになっていきます。
反応しない
赤ちゃんが面白がって爪を立てるなどしている場合、反応しないという方法も効果を発揮することがあります。
何をされても赤ちゃんの方を見ず、無反応を貫いていると、面白がっていた赤ちゃんは次第に不安になり、爪を立てるなどを止めてくれます。
ただし、赤ちゃんにとって、親に反応してもらえないということは怒られるよりも辛く怖いことです。
赤ちゃんが止めたらすぐに微笑みかけ、止めることができたことを褒めてあげましょう。
まとめ
子育てをしていると、赤ちゃんに爪を立てられる、つねられる、つままれるといったことは日常茶飯事です。
最初のうちは、「もうこんなことができるようになったか。」と微笑ましいのですが、毎日のように繰り返されると、イライラすることもありますし、「大きくなってお友達に同じことをしたらどうしよう。」という不安も抱くこともあるでしょう。
赤ちゃんの行動は一朝一夕で変わるものではありませんが、紹介したような方法を日々の子育ての中でコツコツ続けることで、徐々にですが修正していくことができるはずです。